「トキシックな人」とは、その言動や行動が周囲に対して良くない影響を与える人のことを指します。英語のtoxic(有毒な、毒性のある)からきていて、この特性がある人と関わると、精神的ストレスや心の消耗を引き起こすことも。今回は相手が「トキシックな人」でないか判断の参考になるチェックリストと、関わり方についてまとめました。
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職場や学校、友達同士など、この社会の中で生きている限り、人との関わりは必要不可欠ですよね。それゆえにどんな人でも、大なり小なり人間関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。国内の発行部数が300万部を超える「嫌われる勇気」でも「すべての悩みは対人関係の悩みである」というアドラーの教えが出てきます。ここではそんな人間関係の悩みについて具体的に考え、より生きやすくなる手助けができれば嬉しいです!
5個以上当てはまったら注意が必要かも…「トキシックな人診断」
全14問の「トキシックな人」のチェックリストです。それぞれ口癖の例もあるので、このセリフよく言っているな…など参考にしてみてください。5個以上当てはまる場合は注意が必要。8個以上では相手がトキシックな人である可能性がとても高くなります。10個以上の場合は既に相手との関係がかなりの負担になっている状態なので、自分のことを守る選択をおすすめします。
相手の言動で判断する項目
- 常に批判的・否定的なコメントが多い
会話の中で、他人や状況に対して批判や不満を口にすることが多い。
例:「どうせ〇〇でしょ」「そんなことをしても無駄だよ」「また失敗するよ」 - 相手の気持ちや意見を尊重しない
あなたが話したことに対して共感がなく、気持ちを理解しようとしない。
例:「あなたには分からないよ」「普通は〇〇するよね」「それって意味あるの?」 - 自分の責任を認めない
ミスや問題が発生しても、自分のせいにせず、他人に責任を押し付けようとする
例:「何でわからないの?」「〇〇が悪いからこうなった」「私のせいじゃないから」 - 相手をコントロールしようとし、意思決定に介入する
あなたが何か決めようとすると過度に干渉し、自分の意見を押し付けることが多い。罪悪感や恐怖心を抱かせて、あなたを従わせようとする。
例:「あなたのためを思って言っているんだけど」「普通はこうするんだけど」「そんなことしない方がいいよ」 - 他人の成功や幸せを妬み、貶めるような発言をする
他人の喜びや幸せを素直に喜べず、嫉妬や皮肉を言ったり、その成功を軽視するような言動を取る。
例:「よくそれで満足できるね」「どうせすぐ失敗するよ」「誰でもできるよ」 - 自分が被害者であるようにふるまい、同情を求める
頻繁に自分が被害者であると主張し、同情やサポートを引き出そうとする。どんな状況でも、自分ばかりひどい目に遭っていると周囲に感じさせるような言動が目立つ。
例:「私ばっかり苦労している」「何でいつも私ばっかりこんな目にあうの?」「みんなが私に厳しすぎる」 - プライバシーに過剰に干渉してくる
あなたのプライベートな部分に勝手に踏み込んできたり、個人的な時間や空間を尊重せず、自分の都合で関わろうとする。
例:「〇〇だから、手伝ってよ」「今すぐ話があるんだけど」「ちょっとだけ時間ある?」 - 過剰に感情的で、周囲に不安やストレスを与える
些細なことで極端に怒ったり悲しんだりし、過剰な反応を示すため、周囲が気を使いすぎてしまう。
例:「なんでそんなことするの!」「もう無理!」「みんなが私のことを理解してくれない」 - 他人を下げたり軽視する発言をしがち
他人を見下し、侮辱的な言葉や態度を取ることがあり、自分が優位に立っていると感じさせようとする。
例:「〇〇なんて簡単だよ」「なんでそんなこともできないの?」「そんなやり方じゃ成功しない」
あなたの気持ちで判断する項目
- 一緒にいるとエネルギーが消耗し、気分が落ち込む
会話や接触のたびに疲れを感じることが多く、その後気分が低下したり、やる気が失われたりする。 - その人といるのが苦痛で避けたいと思う
会うこと自体がストレスになり、できれば会いたくない、話したくないと感じることが多い。 - その人と関わると自己評価が低くなり、自信がなくなる。
その人の言動によって、自分に自信が持てなくなったり、否定的な自己評価が強まることがある。 - 「ノー」ということが難しく、無理に相手に合わせてしまう
自分の意見や考えを伝えることが難しく、つい相手のいうことを受け入れてしまうことが多い。 - 会話中に緊張感や不安を感じやすくなる
相手の機嫌や反応に敏感になり、不安や緊張が高まるため、自然体でいられなくなる。
5個以上当てはまる:相手の言動が精神的な負担になっている可能性があります。関係を慎重に見直しましょう。
8個以上当てはまる:相手はトキシックな人である可能性が高いです。あなたの心の健康に悪影響を及ぼすリスクがあるため、距離を置いたり、関係を再考する必要があります。
10個以上当てはまる:相手との関係がかなり負担になっている状態です。自分の生活や心の健康のため、距離を置いたり、関係を断つことが必要になる場合があります。
トキシックな人の傾向と、近い距離で関わり続けることで受ける影響
自己評価が下がる
トキシックな人は、批判的な態度や言動で相手の自信を揺るがせることが多いため、一緒にいると「自分には価値がない」「自分はダメな人間だ」という感覚に陥りやすくなってしまいます。相手の言葉に影響され、自分に自信がなくなってしまうのです。
不安・ストレスが増加する
トキシックな人は操作的で支配的な行動をとるため、相手の反応や起源に敏感になり、常に緊張感や不安を感じるようになります。その結果、ストレスを感じることが増え、心身共に疲弊しやすくなってしまいます。
自分で判断する力の低下
トキシックな人は相手の意思や考えを否定し、自分の価値観を押し付ける傾向があります。長期的に関わることで、次第に自分で決断する力が奪われ、「自分は正しく判断できないのでは」と感じるようになり、自己判断に自信が持てなくなります。
罪悪感が植え付けられる
トキシックな人は、相手に罪悪感を感じさせてコントロールすることがよくあります。例えば、「あなたのせいでこうなった」と責められることで、無意識のうちに罪悪感を抱き、常に相手に気を遣うようになってしまいます。
孤独を感じることが増える
トキシックな人は、周囲から孤立させて支配しやすくする場合があります。家族や友人から引き離そうとしたり、外部のサポートを遮断することで、次第に他人に頼れなくなり、孤独感が増してしまいます。
情緒不安定になりやすい
批判的な言葉や批判が日常的に続くと、感情の浮き沈みが激しくなり、情緒が安定しにくくなります。精神的なストレスが増すことで、些細なことで泣いたり、怒りっぽくなったりすることも。
自己成長が妨げられる
自己否定や罪悪感、他人に依存する感覚が増すことで、前向きに自分を成長させる意欲が失われます。結果的に、新しいスキルや目標に向かって努力する意欲が低下し、人生における自己成長が停滞してしまいます。
トキシックな人と関わるときに意識することは?
相手の口癖に気付き、無意識のうちに影響を受けないようにする
「トキシックな人診断」で例に挙げたセリフは、その特性を持った人が使いやすい口癖です。相手が良く使う口癖が当てはまる場合は、「このセリフはトキシックな人の口癖だから、真に受けすぎないようにしよう」と意識するようにしましょう。そうすることで、いつの間にか相手にコントロールされたり、自己肯定感を下げられたりすることを防ぐことができます。
適切な距離を保つ
トキシックな人とは物理的・心理的に距離を保つことが大切です。可能であれば、関係性に応じて自分の中で会う頻度、連絡の頻度を設定しましょう。例えば、週に1度の接触をに2週間に1度にする。連絡の返信は1日2回までにするなど、少しづつ距離を取りましょう。また、どうしても会わなければならない関係であれば、会話中は距離を取ったり、対面に座らずに少し離れるなど物理的に距離を取ると精神的なダメージを減らすことができます。
境界線をしっかり持つ
トキシックな人は批判的な態度や言動を使うため、「ノー」と伝えることが難しい場合があります。そんな時は「今は難しい」「また今度にしよう」と柔らかく断るようにしましょう。また、会話する際には「用事があって、何時までに帰らないと」というように事前に時間を決めることで、相手にコントロールされにくくなります。
罪悪感を感じる必要はないと理解する
トキシックな人は自分の感情や問題を相手に押し付けることが多いですが、「相手の感情は相手の責任」と意識しましょう。「自分が悪いわけではない」と自分の心を守ることが大切です。
まとめ
今回は相手がトキシックな人ではないか判断する際に参考になるチェックリストと、トキシックな人の傾向と関わることで受けてしまう影響をまとめました。トキシックな人と関わるときに自分を守るには、自分を大切に思う気持ちと勇気が必要です。批判的な態度や言動は相手の性格であり、あなたのせいではないということを忘れず、程よく付き合っていけるよう心掛けましょう。
miho
今回も人と関わっていくうえで避けることはできない人間関係の悩みを減らすための手助けになる情報をまとめました。他の記事もありますので、あなたが今よりより生きやすくなる手助けになれば嬉しいです!X(Twitter)でお悩みの募集もしています。