完璧主義とは、物事に高い基準を設けて努力し続ける心理特性や行動傾向のことを言います。これは目標達成のための原動力になる一方で、過度なストレスやプレッシャーを引き起こし、時には心身の健康を損なうことも。そのため、特徴を正しく理解し、バランスを取ることが大切です。今回はそんな完璧主義のいい面と悪い面をまとめ、過度な完璧主義を克服する方法をまとめました。

miho
職場や学校、友達同士など、この社会の中で生きている限り、人との関わりは必要不可欠ですよね。それゆえにどんな人でも、大なり小なり人間関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。国内の発行部数が300万部を超える「嫌われる勇気」でも「すべての悩みは対人関係の悩みである」というアドラーの教えが出てきます。ここではそんな人間関係の悩みに関する情報をまとめています。より生きやすくなる手助けができれば嬉しいです!
完璧主義の特徴は?

非常に高い基準を持っている
自分に対しても他者に対しても、達成が困難なほど高い基準を設定し、それを達成することにこだわる傾向があります。例えば、小さなミスすら許容できず、何度もやり直してしまうことがあります。
失敗や欠陥に過敏に反応してしまう
ミスや不完全さを過剰におそれ、それを自分の価値の低さと結びつけて考えてしまいます。
達成感が欠如している
どれだけ成果を出しても満足感を得にくく、「もっと良くできたはずだ」と感じてしまいます。
過度に自己批判をしてしまう
理想に届かないとき、じぶんを責める思考が強くなります。
先延ばしをしてしまう(プロクラスティネーション)
完璧な条件が揃うまで行動を開始できず、結果的に行動が遅れてしまうことがあります。
プロクラスティネーションについてはこちらの記事で詳しくまとめているので、参考にしてみてください。
全15問|完璧主義診断
完璧主義診断
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診断結果
診断結果
・0~4個
完璧主義の可能性は低いです。自分の能力や結果を受け入れる柔軟性を持っています。
・5~8個
やや完璧主義の傾向があります。理想を追い求めることがモチベーションになる一方、時折プレッシャーを感じることもあるでしょう。基準を柔軟に調整すると、さらに生きやすくなるかもしれません。
・9~12個
完璧主義の可能性が高いです。自分に厳しく、物事を高い基準で捉える傾向があります。ただし、過度なストレスや自己批判には注意が必要です。目標設定を現実的にすることで、メリットを活かしながらデメリットを軽減しましょう。
・13~15個
強い完璧主義の傾向があります。完璧を求める姿勢が、ストレスや疲弊に繋がっていませんか?自分を許し、失敗や不完全さを受け入れる練習をすることが大切です。専門家のサポートを検討することも視野に入れてみてください。
完璧主義のメリットとデメリット

メリット
高い目標設定
完璧を求める姿勢が、他者を上回る成果を生みます。
例:仕事で「納期に間に合う」だけでなく、「トップレベルの品質」を目指すことで、顧客や上司から高い評価を得る。
細部へのこだわり
小さなミスを見逃さないため、完成度の高いものを作ります。
例:デザインや資料など、細部にまで配慮した結果、説得力がまし、周囲の信頼を得られる。
自己成長ができる
常に現状に満足せず、スキル向上や成長を追求します。
例:プロジェクトが成功した後も、次回はさらにいいものにしようと改善を続ける。
モチベーションの維持
高い基準が挑戦威力を駆り立てて、努力を続ける原動力となります。
例:受験生が「第一志望に絶対合格する」という明確な目標をもち、最後まで粘り強く勉強を続ける。
信頼される存在
責任感が強く、他者から頼りにされることが多いです。
例:チームでの作業で「あなたに任せておけば安心」と評価され、リーダー的役割を担う。
デメリット
ストレスや疲弊
高すぎる基準を追い続けることで、心身が疲れ切ってしまうことがあります。
例:毎日長時間働き続け、休日も休むことができず、慢性的な疲労や燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥る。
燃え尽き症候群(バーンアウト)についてはこちらの記事で詳しくまとめているので、参考にしてみてください。
達成感の欠如
どんなに成果を出しても、「もっと良くできたはず」と感じ、満足感を得られなくなります。
例:プレゼンが成功しても、「話し方が完璧ではなかった」と反省ばかりし、自分を褒められない
決断や行動の遅れ(先延ばし)
完璧を追求するあまり、行動を開始するタイミングが遅れてしまうことがあります。
例:仕事で「完璧なプランが浮かぶまで」と準備に時間をかけすぎ、締め切りに間に合わなくなる。
人間関係の摩擦
他社にも完璧を求めることで、衝突や対立が生じることがあります。
例:部下に「もっと質の高い仕事を」と過剰な要求をしてしまい、不満を抱かれる。
自己否定感の増大
高い基準をクリアできなかった場合、自分を価値がない存在と感じてしまうことがあります。
例:試験で90点を取ったのに、「満点を取れなかった自分はダメだ」と考える。
非効率になる
細部にこだわりすぎることで、全体の進捗が遅れることがあります。
例:「もう少し見栄えを良くしたい」と何度も修正し、他のタスクを進められなくなる。
健康問題
過剰なプレッシャーが原因で、心身に不調を起こしてしまうことがあります。
例:慢性的なストレスが原因で、不眠症や頭痛、胃痛といった症状が現れる。
topic!完璧主義には2つのタイプがある
完璧主義には大きく二つのタイプに分けられ、それぞれメリットとデメリットの出方が違います。
適応的完璧主義(メリットが強調される)
・現実的な高い基準を持ち、努力を続ける
・失敗や不完全さを受け入れる柔軟性がある。
不適応的完璧主義(デメリットが強調される)
・過剰に厳しい基準を持ち、失敗を恐れる。
・他者や自分への批判が強く、満足感を得にくい。
完璧主義を弱める方法を9つ紹介
完璧主義を治す、あるいは弱めるためには、自分の考え方や行動を少しずつ変えていく必要があります。完璧主義を「完全にやめる」のではなく、バランスを取る方向で考えるのが現実的です。
現実的な目標を設定する
自分が設定する目標や基準が現実的かどうか意識しましょう。すべてを100%完璧にするのではなく、「80%で良い」とする考えを取り入れてみましょう。
例:プレゼン資料を作る際、「内容さえ伝われば十分」と考え、デザインや細部にこだわりすぎない。
完璧の定義を見直してみる
完璧とは「すべてが完璧」ではなく、「状況に合った最善を尽くすこと」と捉えてみましょう。
例:しごとで小さなミスがあったとしても、全体の結果が良ければそれを「十分な成果」と認識する。
失敗を学びの機会と考える
失敗は避けるべきものではなく、成長のために必要な経験だと考えてみましょう。
例:プロジェクトでのミスを、「次回はどのように改善できるか?」と考える材料として利用する。
このようにネガティブな考えや解釈を意図的に変えることを「リフレーミング」と言います。これができるようになるとより良い人生を築く手助けになります。こちらの記事で詳しく説明しているので、参考にしてみてください!
他人との比較を減らす
他人と比較するのではなく、自分自身の成長や進歩に目を向けるように心がけましょう。
例:「他の人の方が優れている」と思ったとき、「自分は以前の自分と比べてどれだけ進化したか」に目を向ける。
プロセスを楽しむ
結果だけに焦点を当てるのではなく、努力や挑戦の過程に価値を見出してみましょう。
例:料理を作るとき、「見た目の完璧さ」よりも「楽しんで作ったこと」を大事にする。
小さな成功を認める
大きな目標だけでなく、日々の小さな成果や進歩を認め、自分を褒める習慣をつけてみましょう。
例:今日の仕事を予定通り終えたことや、苦手な作業を少しでも進めたことを自分で評価する。
セルフコンパッションを取り入れる
自分に優しくする姿勢を持ち、ミスや欠点があっても責めすぎないようにしましょう。
例:友達が同じ状況にいたら何というかを考え、その言葉を自分にも問いかける。
「できないこと」を認める練習をする
自分が得意ではないことや苦手なことを受け入れるてみましょう。すべてを完璧にできる人はいません。
例:チームの仕事では、自分が苦手な部分をほかのメンバーに頼んでみる。
タイムリミットを設ける
完璧を追求して時間をかけすぎないために、「これ以上はやらない」と期限や目安を決めてみましょう。
例:「この仕事は2時間で仕上げる」と決め、多少の不完全さを許容する。
まとめ
完璧主義は決して悪いものではありませんが、縛られすぎると精神的・肉体的に負担が大きくなってしまいます。「完璧ではなく、最善を目指す」ということを意識し、バランスを保ちながら生きていくことで完璧主義のメリットを活かしながらより豊かな生活を送ることができます。日々少しづつでもよいので、完璧でない自分自身を大切にできるよう練習していきましょう。

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今回も人と関わっていくうえで避けることはできない人間関係の悩みを減らすための手助けになる情報をまとめました。他の記事もありますので、あなたが今よりより生きやすくなる手助けになれば嬉しいです!X(Twitter)でお悩みの募集もしています。