ノンバーバルコミュニケーションとは「言葉を使わないコミュニケーション」のことを指します。実は人が相手から受ける印象の9割以上がこのノンバーバルコミュニケーションなんです。だからこそ、人と心地よくつながるためには、この「言葉じゃない伝え方」にも目を向けてみることが大切なのです。では、ノンバーバルコミュニケーションで意識すべきポイントは何なのでしょうか?

miho
この記事は次のような人におすすめです!
- ちゃんと話しているつもりなのに、なぜか誤解されてしまうことが多い
- 会話が苦手だけど、周りといい関係が築きたい
- 空気を読めるようになりたい
- 職場や友人、恋人とのやりとりをもっと心地よくしたい
- 人間関係でいつも距離を感じてしまう
職場や学校、友達関係など、社会の中で生きている限り、人との関わりは避けられません。だからこそ、多くの人が、大なり小なり人間関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。
国内で300万部を超えるベストセラー『嫌われる勇気』では、アドラー心理学の考え方として「すべての悩みは対人関係の悩みである」という主張が紹介されています。
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ノンバーバルコミュニケーションとは?

ノンバーバルコミュニケーションという言葉、ちょっと難しく聞こえるかもしれません。
でも実は、私たちが日常の中で無意識に使っている、とても身近なものなんです。
「言葉じゃない」伝え方
ノンバーバル(non-verbal)とは、「非言語的」という意味です。つまり、言葉を使わないコミュニケーションのことを指します。
たとえば…
友達に「元気?」と声をかけたら、にっこり笑って「うん、大丈夫」と帰ってきた。そのとき、声は明るく、目も合っていた。
このとき、あなたは言葉だけでなく、表情や声のトーン、視線、全体の雰囲気からも「元気そうだな」と受け取っているはずです。
では、もし同じ「うん、大丈夫」でも、無表情で、目をそらしながら、小さい声で言われたらどうでしょう?
きっと、「大丈夫じゃないかも…?」と感じますよね。
このように、言葉よりも先に空気が伝わっているのがノンバーバルコミュニケーションなのです。
ノンバーバルにはどんなものがある?
表情
笑っているか、怒っているか、困っているかなど。顔の動きは感情のサインです。
声のトーン・話し方
高い声、低い声、ゆっくり話す、早口でまくしたてるなど。話す内容よりも「どう話すか」が相手に影響を与えます。
姿勢・しぐさ
背筋を伸ばして話す、相手の方に体を向けるなど、姿勢にも「関心があるますよ」というメッセージが込められています。
視線・アイコンタクト
目を合わせることで、「ちゃんと聞いてるよ」と伝えられます。逆に目をそらし続けると、不安感を与えることも。
距離感(パーソナルスペース)
適度な距離は安心感を生みます。近すぎると圧迫感、遠すぎるとよそよそしさに。
人はなぜ「空気」を感じるの?
それは、言葉よりも先にノンバーバルを学んできたからです。
赤ちゃんのとき、私たちはまだ言葉を話せませんでした。それでも、お母さんの表情や声の調子から「安心」や「不安」を感じ取っていました。
そのため大人になった今でも、私たちは無意識のうちに、言葉よりも空気を先に受け取ってしまうのです。
心理学でも実証されている「空気の力」
心理学者アルバート・メラビアンによる有名な実験では、人が相手から受ける印象の割合は、次のようになると言われています。
- 言葉の内容(言語情報)…7%
- 声のトーンや話し方(聴覚情報)…38%
- 表情やしぐさ(視覚情報)…55%
→合計で93%が「言葉以外の情報」なのです。

つまり、「何を言うか」より、「どんな雰囲気で言うか」の方が、ずっと影響力があるということですね。
ノンバーバルコミュニケーションのNGあるある
「悪気はないのに、なぜか嫌われる」「ちゃんと話してるつもりなのに、距離を置かれる」
そんなときは、自分でも気づかないうちに良くないノンバーバルコミュニケーションを使っているかもしれません。
ここでは、よくあるノンバーバルのNG例を紹介します。
NG例①:顔がこわばっている(目が笑ってない)

笑っているのに、なんか怖い…
そんな印象を与えてしまう人に多いのが、表情の硬さです。特にマスク生活の長かった今、目元だけで表情を伝えるのは意外と難しいものです。「え、笑っているつもりなんだけど…」という人でも、鏡で自分の顔をチェックしてみると、意外と目元が無表情だったりします。
NG例②:うなずきがない/リアクションが薄い

私の話、ちゃんと聞いてるのかな?
無表情でじっと見つめられると、相手は不安になってしまいます。
相槌やうなずきがないと、会話は一方通行に感じられてしまうのです。
NG例③:腕組み、足組み、身体がそっぽを向いている

なんか、拒絶されている感じがする…
こうした姿勢は、無意識の防御反応です。でも相手からすると、「距離を置かれている」「興味がなさそう」に見えてしまいます。
ちょっと意識して、身体を相手の方に向けてみるだけで印象が変わることも。
NG例④:声が小さすぎる/早口でまくしたてる

なにを言っているのかわからない…
責められている気がして、ちょっと怖い
声の出し方にも「空気」は出ます。
- 小さすぎると自信がなさそうor不機嫌そうに聞こえる
- 早口すぎると攻撃的or焦っている印象に
どちらも、内容以前に聞く側が疲れてしまうのです。
NG例⑤:スマホをみながら会話する

え、私の話、ちゃんと聞いてるのかな…?
スマホに視線が向いた瞬間、「優先順位が低いんだな」と伝わってしまうことも。
先ほど紹介したように、表情やしぐさから得られる情報は全体の50%以上です。短い会話でも、顔を上げて目を合わせるだけで、印象はぐっと変わります。
NG例⑥:距離感がおかしい(近すぎ・遠すぎ)
人との物理的な距離も、心の距離に影響します。
- 近すぎると圧迫感や緊張を与えてしまう
- 遠すぎるとよそよそしい印象を与える
相手がちょっとずつ下がっているときは、「近づきすぎかも?」のサインかもしれません。
好かれる人がやっている「ノンバーバルのコツ」

ノンバーバルコミュニケーションは、特別な才能ではなく、ちょっとした工夫で磨ける力です。
実は、感じのいい人、信頼される人たちは、ごく自然に伝わるノンバーバルを使っているのです。
1.やさしい視線を向ける
「目を見て話すのが苦手…」という方も多いですが、じっと見つめる必要はありません。
コツは「ふわっ」と目を合わせて「そっと外す」くらいのバランスです。
- 1~2秒、目を見て
- 軽くうなずいたり笑ったりして
- さっと視線を外す
これだけで「ちゃんと聞いてくれている」と伝わるのです。
2.うなずきと相づちで受け止める
会話の中で、うなずいたり「へぇ~」「そうなんだ」と相づちを打つことは、相手の話を受け止める合図になります。特に大事なのはタイミング。
- 相手が言い終わる前にかぶせてしまわない
- 相づちは「返事」ではなく「関心」の表現
それだけで「安心感」を与えられます。
3.声のトーンを少しだけ相手に寄せる
声の大きさや話すスピードも、印象に大きく関わります。たとえば、
- 静かな人には、少しゆっくり・柔らかく
- 明るい人には、ハキハキとテンポよく
相手のリズムに合わせることで、自然な親しみやすさが生まれます。心理学ではこれを「ミラーリング効果」と呼びます。
4.姿勢や身体の向きで「関心」を伝える
人は、言葉よりも姿勢から気持ちを感じ取っています。
おすすめなのは、相手の話に「身体ごと向き合う」こと。
- 上半身を相手の方に向ける
- スマホを置く
- 手を止めて、身体戦隊で「聞いてるよ」と示す
言葉が出てこなくても、「あなたの話を大事に思っている」という気持ちは伝わります。
5.表情は「鏡のように」、でもやさしく
相手が笑えば、一緒に笑う。相手が真剣なら、こちらも真剣に向き合う。
相手の感情に少し寄り添うような表情を意識するだけで、「共感してくれている」と感じてもらえることが増えてきます。
ただし、「作りすぎた笑顔」や「わざとらしさ」には注意が必要。素直な気持ち+ほんの少しの意識で十分です。
日常での活かし方【職場・友人・恋人】
①職場での人間関係
職場では、言葉選びだけでなく、ふるまいそのものが信用に関わります。
おすすめのノンバーバル
- 相手の目を見て、明るく「おはようございます」と言う
- メモを取りながら話を聞く(聞いている姿勢が伝わる)
- 話すときは、身体を相手に向ける
- 急いでいても、語尾はやさしく、笑顔を忘れずに
効果
- 「話しかけやすい人だな」と思われる
- 信用され、相談を受けることが増える
- ちょっとしたすれ違いも、表情や姿勢で和らげられる
②友達との人間関係
気の置けない友達でも、「話しやすいな」「なんか落ち着く」と感じる人には共通点があります。
おすすめのノンバーバル
- 相手の話に、しっかりうなずく・笑顔で返す
- 話をさえぎらずに最後まで聞く
- 近すぎず遠すぎない、心地よい距離感を保つ
- 沈黙を気まずくしない「微笑み」や視線を意識する
効果
- 「この人といると気が楽」と思われる
- 雑談だけでなく、本音の相談をしてもらえる
- 会話が少なくても、心の距離が近くなる
③恋人・パートナーとの人間関係
大切な人との関係では、「言葉が足りない」と感じるより、「言葉がなくても安心できる」が鍵になります。
おすすめのノンバーバル
- 手を握る、そっと寄り添うなどのスキンシップ
- 話を聞くときは、スマホを置いて顔を向ける
- 「大丈夫?」のひとことより、柔らかな目線や声かけを心掛ける
- 口数が少ない日でも、軽くハグや笑顔で気持ちを伝える
効果
- 「ちゃんとわかってくれてる」と安心される
- 喧嘩の火種になりそうなときも、冷静にいられる
- 無理して話さなくても、通じ合える関係になっていく
まとめ
人と人との関係は、必ずしも「うまく話せたかどうか」だけで決まるものではありません。ノンバーバルコミュニケーションを意識することで、良い人間関係を築いていきましょう。

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今回も人と関わっていくうえで避けることはできない人間関係の悩みを減らすための手助けになる情報をまとめました。他の記事もありますので、あなたが今よりより生きやすくなる手助けになれば嬉しいです!X(Twitter)でお悩みの募集もしています。