「失敗は成功のもと」と言いますが、これも大切な経験だ!と自分に言い聞かせても、どうしても失敗したことで頭の中がいっぱいになってしまうことはありませんか?失敗したことについて冷静に分析することも大切ですが、引きずりすぎてしまうと心の健康を維持することが難しくなってしまったり、やるべきことに集中できなくなってしまうことも。そんな時、なるべく早く立ち直るためにはどのようなこと心掛ければよいのでしょうか。

miho
この記事は次のような人におすすめです!
- 落ち込んだ状態が長引いてしまうのが何故なのか知りたい
- 落ち込んだ時に自分で出来るメンタルケアの方法を知りたい
職場や学校、友達同士など、この社会の中で生きている限り、人との関わりは必要不可欠ですよね。それゆえにどんな人でも、大なり小なり人間関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。国内の発行部数が300万部を超える「嫌われる勇気」でも「すべての悩みは対人関係の悩みである」というアドラーの教えが出てきます。ここではそんな人間関係の悩みに関する情報をまとめています。より生きやすくなる手助けができれば嬉しいです!
失敗したときの落ち込みが長引いてしまうのは何故?
脳の仕組み
脳は強い感情や印象的な出来事を「記憶」として定着させやすいため、失敗を反芻するほど、心がその出来事に縛られてしまいます。「どうしてあの時…」「自分はダメだ」と考え続けつことでネガティブな感情が強化されてしまいます。これを「反芻思考」と言います。
この反芻思考は、現代ではストレスや不安を増大させたり、過去の出来事に囚われてしまったりと、メンタルヘルスの悪化につながることがあります。
では何故、人間の脳は反芻思考をするように出来ているのでしょうか。
命の危機や危険な状況が多かった「原始時代」を例に挙げて考えてみましょう。
- 危険を回避するため
狩り採集中に仲間や自分が失敗し、危険に遭遇した経験(例:猛獣に襲われる、毒のある食物を食べる)を「忘れない」ことで、次回の行動で同じミスを避けることができました。失敗を繰り返し考えることで、危険な状況を記憶に定着させ、生存率を上げたのです。 - 集団生活に適応するため
原始時代は「集団の中での協力」が生存の鍵でした。そのため、仲間との衝突やミスで孤立してしまわないように、自分の失敗を振り返り、修正しようとすることが必要でした。他者との関係を維持するために反芻し、集団の中での適応を高めたと考えられます。 - 問題解決を強化するため
過去の失敗や問題を繰り返し考えることで、「次はどうするか?」という戦略を練る時間になりました。これは狩猟や危機対応の知恵を深めるきっかけにもなりました。
しかし、現代では命の危機に晒される状況は減少したことで反芻思考が「過剰に働く」ことが多くなったと考えられます。そのため、過剰に失敗を引きずりやすくなってしまったのです。
自己否定や完璧主義の傾向
失敗を「自分の価値が低い証拠」や「絶対にしてはいけないこと」と捉えてしまっている場合、自己否定が強まり、立ち直りが難しくなります。「失敗=自分のすべてがダメ」と感じてしまい、気持ちが長引いてしまうのです。完璧主義や真面目な人ほど、少しのミスでも自分を責める傾向があります。
周囲の目や評価を気にしすぎる
失敗したことで「他人にどう思われるか」を過度に気にしてしまうと、失敗や恥ずかしさから抜け出せなくなります。人間は社会的な生き物であり、他者の評価が自己価値に影響を与えやすいため、注意が必要です。自分自身の存在や価値をありのままに受け入れ肯定する「自己肯定感」を高めることで、他者の評価に左右されにくくなります。
失敗の意味をネガティブに捉えている
失敗を「自分に能力がない」「未来はうまくいかない」と極端に解釈することで、精神的なダメージが増大することがあります。物事の解釈次第で感情が変わるため、「失敗=成長の機会」と捉えられない場合、落ち込みが長引きやすくなります。
ある出来事や状況、物事に対する視点や、解釈を意図的に変えることで人生の質を向上させる強力なツール「リフレーミング」を習慣化することでネガティブに捉えてしまうことを減らすことに繫がります。
ストレスを感じやすくなっている
もともと心身が疲れている時やストレスが溜まっている時は、精神的な回復力(レジリエンス)が低下し、失敗の影響が大きくなってしまいます。睡眠不足、過労、人間関係のストレスなどが影響することが多いです。
こちらで紹介されている「ひとやすみマニュアル」を実施すれば、ストレスが溜まっている時でも手軽に自分を癒して回復することができるようになります。
過去のトラウマやネガティブ体験が影響している
過去の失敗や否定された経験が強く心に残っていると、新たな失敗がその記憶を刺激し、感情が過剰に反応してしまいます。「また同じことを繰り返してしまった」と過去の痛みが蘇ることがあります。
自分の「失敗耐性」が育っていない
これまで大きな失敗を経験してこなかった場合、初めての挫折で「どう対処すればいいのかわからない」状態に陥ることがあります。
どうすれば落ち込みから早く立ち直れる?9つ紹介
感情を整理する「書く」習慣をつける
何が起きたのか、どう感じているのか、何に悩んでいるのかを紙に書き出してみましょう。ここでとてもおすすめなのが「ジャーナリング」という方法です。頭に浮かんだことを構成や内容を気にせずひたすら書いていく日記です。ジャーナリングは「頭の中を掃除する」効果があります。頭の中の混乱やネガティブな感情を外に出すことで、自分の気持ちを客観的に把握でき、冷静さを取り戻すことができます。失敗の原因や今後の対策を書こうとせず、まずは感じたことをそのまま書くのが大切です。
「今」に集中するマインドフルネス
マインドフルネスにはストレスを軽減するほかにたくさんのメリットがあります。思考や感情という箱が流れてきても、中身は確認せず、そのまま水に流していくイメージで行うことで、スッと気持ちが楽になります。
体を動かす
じっとしているとどうしてもネガティブなことを繰り返し考えてしまいがち。散歩、軽いストレッチ、家の中の掃除など、体を動かしてみるとストレス軽減に繋がり、気持ちが軽くなることが多いです。激しい運動をする必要はありません。心地よいレベルの動きがおすすめです。
信頼できる人(アプリ)に話す
友達や家族など、自分の気持ちを受け止めてくれる人に話してみましょう。人に話す気分になれないときは、話を聞いてくれるアプリを活用することがおすすめ。話すことで気持ちが整理され、安心感や他者視点を得ることができます。
「他人基準」をやめる
他人と比較する思考を意識的に手放し、自分のペースや価値観を大切にします。「他人の成功は他人のもの。自分は自分」と考えるよう意識しましょう。どうしても比較してしまう場合は、比べる対象を他人ではなく「過去の自分」にすることがおすすめです。過去の自分と比べることは自分を見つめなおしたり、自己成長することに繫がります。
誰でも失敗はするので、そのままで大丈夫と考える練習をする
失敗をしたことのない人など存在しません。失敗してしまった自分を責めるのではなく、「失敗した自分でもOK」とできるだけ自分をそのまま受け入れる練習をしましょう。条件付きで自己価値を感じるのではなく、「存在しているだけで自分には価値がある」と考えられるよう、自己肯定感を高めていきましょう。失敗をしたって自分はここにいて、それだけで価値があるという事実に焦点を当てることが大切です。
心の中で「今の自分でも大丈夫」と唱えたり、鏡に向かって笑顔を作ってみるだけでも効果を得ることができます。
「できた・できなかった」ではなく、「経験した」ことに注目する
失敗の結果ではなく、「挑戦した」という行動そのものに意味があると考えます。例えば「失敗はしたけど、やってみたことで新しい気付きがあった」と考えることが大切です。「結果=自分の価値」と結びつけにくくなり、メンタルが安定します。日記やノートに「今日経験したこと」を書く習慣をつけると、結果より経験に目がいきやすくなります。
「今の気持ち」に名前をつける
「落ち込んでいる」「悔しい」「悲しい」など、自分の感情に正直に名前を付けてみましょう。感情を否定せずに受け入れることで、気持ちが軽くなる効果があります。「こんなことで落ち込んでいるなんて…」と自己否定せず、感情をありのまま受け入れることが大切です。
罰ではなく、ご褒美をあげる
失敗があるということは、なにか行動したり挑戦した証拠。落ち込んでしまった時は、思う存分趣味に没頭してみたり、おいしいものを食べたりと「いつも頑張っている自分」にご褒美をあげましょう。「なんであんなことをしてしまったんだろう」と落ち込んでいる状態よりも、健全な精神状態に戻ってから反省点を振り返る方が、客観的に冷静に分析することができます。
まとめ
失敗やネガティブな出来事を引きずらないためのポイントをまとめました。
- 無理に押し込めようとせず、感情を受け入れる
- 今回の経験で学んだこと、次回どうすればよいかなど、失敗したという結果に囚われず、次に進むための具体的な行動を考える
以上のことが重要です。

miho
今回も人と関わっていくうえで避けることはできない人間関係の悩みを減らすための手助けになる情報をまとめました。他の記事もありますので、あなたが今よりより生きやすくなる手助けになれば嬉しいです!X(Twitter)でお悩みの募集もしています。