ここで紹介するガスライターとは道具のことではなく、「ガスライティング(gaslighting)」と呼ばれる心理的な手法を使って相手を操作し、精神的に支配下に置こうとする人のことです。米国では「今年の流行語」に選ばれたことがあり、心理状況や人間関係に深刻な影響を及ぼすものとして注目されています。ではガスライティングとはどのようなものなのでしょうか。ガスライターの特徴を知り、事前に自分の心の健康を守りましょう。

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職場や学校、友達同士など、この社会の中で生きている限り、人との関わりは必要不可欠ですよね。それゆえにどんな人でも、大なり小なり人間関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。国内の発行部数が300万部を超える「嫌われる勇気」でも「すべての悩みは対人関係の悩みである」というアドラーの教えが出てきます。ここではそんな人間関係の悩みについて具体的に考え、より生きやすくなる手助けができれば嬉しいです!

「ガスライター」の特徴や行動

「ガスライター」と呼ばれる人は、ガスライティングという心理的な操作手法を用いて、相手の考え方や感じ方をわざと混乱させて、自分の言うとおりにしようとします。そんな「ガスライター」の特徴や行動を見ていきましょう。

事実を否定したり、歪めたりする

ガスライターは、過去の出来事や相手が行ったことについて、「そんなことはなかった」「君の勘違いだ」と言って、事実を否定します。また、わざと話をゆがめて相手が混乱するように仕向けることも。これにより、相手は「自分が間違っているのかも」と自信を失ってしまいます。

相手の信用を落とそうとする

ガスライターは、相手が他の人に相談できないように、周りの人に「彼(彼女)は不安定で不安だ」などと話すことがあります。これにより、相手は周りから孤立しやすくなり、自分の悩みを相談しにくくなります。

責任を相手に押し付ける

ガスライターは、相手が自分の行動や感じ方に責任を感じるように仕向けます。例えば「君が大げさなんだ」「その反応はおかしいよ」と言って、まるで相手が悪いかのように責めます。これにより、相手は「自分のせいかも」と自分を責めるようになり、さらに自信を失ってしまいます。

自信を失わせ、依存させようとする

ガスライティングの目的は、相手に「自分が間違っている」「自分には問題がある」と思わせ、精神的に依存させることです。これを繰り返されると相手はガスライターの言葉を信じ、自分を疑うようになります。

自分を守るために確認してほしい「ガスライター」チェックリスト

ガスライティングで精神的に依存してしまったあとでは正しい判断が難しくなってしまうことがあります。そのため今回は、相手にこの様な特徴がある場合は慎重になってほしいというチェックリストを用意しました。もし相手がこうした言動をしている場合、注意してみてください。

  • 記憶や体験を否定する
    例:「そんなことなかったはず」「君の勘違いじゃない?」
    自分の記憶や体験を否定されると「自分が間違っているのかな」と不安になります。相手がこうしたことを頻繁に言う場合は注意。
  • あなたの感情や意見を小さく扱う
    例:「それは大したことじゃない」「普通はそう感じないよ」
    自分の気持ちや意見が軽視されると、自信がなくなり、相手に依存しやすくなります。
  • 自分の非を認めず、あなたのせいにする
    例:「私が怒ったのは君のせい」「君が悪いからこうなった」
    相手が自分のミスを認めず、責任をあなたに押し付けていないか確認しましょう。
  • あなたの自信を失わせる言葉を繰り返す
    例:「こんなこともできないの?」「誰でもできることなのに」
    自分がダメな人間だと感じさせようとする発言が多い場合は注意してください。
  • 友人や家族と関係を断とうとする
    「その友達は良くないよ」「私だけが君を理解している」
    相談相手がいないように孤立させようとする場合があります。
  • 話を誇張して不安を煽る
    例:「みんな君のことを変だと思ってる」「あんなにひどいことをしたくせに」
    相手がわざと話を大げさにして、あなたを不安にさせようとしていないか注意してください。
  • 自分を被害者に見せて、罪悪感を抱かせる
    例:「どうして君はわかってくれないんだ」「私だけがこんなに辛い思いをしている」
    相手が自分をかわいそうに見せて、あなたを責める場合は注意が必要です。
  • 質問や反論をはぐらかす
    例:「今それを話しても意味がない」「それは今関係ない」
    相手が話をそらして、きちんと答えない場合、自分の都合が悪い話を避けようとしている場合があります。
  • 自分の意見を押し付け、あなたの考えを無視する
    例:「君がどう思おうと、こうするべきだ」「私が正しいんだから」
    相手が自分の意見だけを押し付け、あなたの考えを全く尊重しない場合は要注意です。
  • 常に自分が上だと示そうとする
    「君にはまだ分からないよ」「私の方が経験豊富だから」
    相手が自分がすぐれていることを強調して、あなたに劣等感を抱かせようとしている場合は注意しましょう。

以上、10問のチェックリストです。これに複数当てはまるからといって必ず「ガスライター」だから関係を切るべきというわけではありません。しかし、相手にはあなたを混乱させたり、傷つけたりして自分のいうことを信じさせようとする言動がみられます。参考にし、相手を客観的に見るよう心掛けましょう。

ガスライティングをする人がいるときは

ガスライティングする人との関係が続くと、精神的な健康が健康が損なわれる可能性が高くなります。そのためできるだけ早めに距離を取ることが望ましいですが、必ずしもすぐに離れられるわけではありませんよね。そんな時は自分の状況や環境を考慮しつつ、信頼できるサポートを受けるながら、少しずつ距離を取る方法を探してみてください。

関係の重要度を考える

家族や長年の友人、彼氏・彼女など、簡単に切れない関係の場合は、距離を取りながら話し合いを試みるなど、慎重に進めることが大切です。ただし、同僚や付き合って間もない友人、彼氏・彼女の場合は速やかに距離を取ることが心の健康に繋がります。

周りに相談する

信頼できる第三者や専門家に相談して、他の視点からアドバイスをもらうことで、自分が冷静に判断することができます。第三者がガスライターの行動について意見をくれることで、自分にとっての最善策が見えてくることもあります。

心理的な境界線を保つ

すぐに離れることが難しい場合も、心理的に「境界線」を守ることが大切です。ガスライターの特徴を理解することで、あなたに影響を及ぼそうとしたときに、自分の感情や判断を大切にし、相手に流されないようにしましょう。自分の意見や気持ちをしっかりと持つことで、精神的なダメージを軽減できます。

距離を置くために準備をする

離れる決断ができたら、まずは物理的に距離を置く準備をすることが大切です。直接の接触や連絡を減らしたり、必要なら生活環境を変えることも考えましょう。

心理的サポートを受ける

ガスライティングの影響を受けていると感じたら、専門のカウンセラーやセラピストに相談することがおすすめです。そうすることで、サポートを受けながら安全に関係を終わらせる準備ができます。

まとめ

今回はガスライターと呼ばれる人の特徴や言動をまとめました。ガスライターはガスライティングをすることで相手の考え方や感じ方を否定したり批判し、相手が自分に依存しやすい関係を作ります。何も知らない状態で関わると「自分が悪いのかも…」と感じてしまっても、知識があるだけで、相手に依存することを防ぎ自分を守ること場合があります。

miho

今回も人と関わっていくうえで避けることはできない人間関係の悩みを減らすための手助けになる情報をまとめました。他の記事もありますので、あなたが今よりより生きやすくなる手助けになれば嬉しいです!X(Twitter)でお悩みの募集もしています。

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