恋愛や友達、同僚など、身近な人にほど嫉妬してしまうことは誰にでもあります。嫉妬をすると相手の幸せを素直に喜べなくなったり、相手と自分を比較してネガティブになってしまったりと、人間関係に悪影響をもたらすことも。嫉妬なんてしない方が楽しく幸せに、お互い認め合って生きていけるはずなのに、なぜこんな感情があるのでしょうか?実は嫉妬にはポジティブな面もあるのです。もし嫉妬という感情が存在しなかったらどのような世界になるのか考えてみましょう。

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職場や学校、友達同士など、この社会の中で生きている限り、人との関わりは必要不可欠ですよね。それゆえにどんな人でも、大なり小なり人間関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。国内の発行部数が300万部を超える「嫌われる勇気」でも「すべての悩みは対人関係の悩みである」というアドラーの教えが出てきます。ここではそんな人間関係の悩みに関する情報をまとめています。より生きやすくなる手助けができれば嬉しいです!
嫉妬のデメリット・メリット

デメリット:人間関係に悪影響を与え、自己否定感を強める
- 自分を否定してしまう
他人と自分を比較し、「自分は足りない」と感じやすくなります。 - 人間関係に悪影響を与える
相手の幸せを心から祝えなかったり、相手を疑ったりすることで関係がギクシャクする場合があります。 - エネルギーを消耗する
嫉妬に囚われることで、自分にとって本当に大切なものに集中できなくなってしまうことがあります。
メリット:成長するモチベーションになり、絆を深める
- 目標を見つけるきっかけになる
嫉妬の対象を冷静に分析すると、自分が「本当に欲しいもの」が見えてくることがあります。友達の成功をうらやむ気持ちは、「自分もこうなりたい」というモチベーションに変えることができます。 - 自己成長のチャンス
嫉妬の感情は、自分に足りないものを気づかせてくれるヒントにもなります。それをしっかり受け入れて改善しようと努力すれば、成長につながります。 - 絆が深まることも
嫉妬を正直に認め、相手に話すことで、お互いのことをより深く理解し絆が深まることもあります。
嫉妬する気持ちが存在しないとどうなる?
自分を確立できなくなる
嫉妬は他者との比較から生まれる感情です。そのため、比較がなくなる世界では、個々の人が「他者とは異なる自分」という意識を持たない可能性があります。自己を確立しなくなったり、多様な創作物が生まれなくなることも考えられます。
競争心を失う
嫉妬をして他者と比較することで、生存や繁殖の競争を促進してきたのなら、その感情がなくなれば、人間は闘争心を失うかもしれません。たとえば、限られた資源を巡る競争が減少することで、種全体として、進化が停滞する可能性があります。
経済の仕組みが変わる
現代の社会は、ある意味で嫉妬を動機とした競争に基づいている部分があります。他人の豊かさや成功を見て、「自分も頑張ろう」と思う人がいることで市場が成長していきました。嫉妬がない世界では、消費活動や競争が大幅に減少し、経済の仕組み自体が大きく変わる可能性があります。
階級格差が小さくなる
嫉妬がない世界では、人々が他人の持つ権力や富に憧れたり、それを奪おうとしたりする動機が減るため、階級格差が小さくなるかもしれません。権力を巡る対立が減ることでリーダーシップや統治の仕組みが変わることが考えられます。
芸術と文化が変化する
嫉妬は多くの文学や芸術のテーマにもなっています。嫉妬がない世界では、創作物のモチベーションや題材が限定される可能性があります。人間関係の葛藤を描いた映画やドラマなどもなくなるため、文化的な表現も穏やかで平坦なものになります。
精神が安定する
嫉妬が原因で感じるストレス、不安、自己嫌悪がなくなるため、個人レベルではより多くの人が精神的な安定を得られると考えられます。
目標が設定しにくくなる
嫉妬が自己改善や目標達成の原動力になる場合もあります。たとえば、「あの人のようになりたい」という感情がなくなるため、目標を見つけることが難しくなるかもしれません。
人間関係が淡泊になる
嫉妬がない世界では、対立が減るかもしれませんが、その代わりに他者に対する興味や情熱が減少する可能性もあります。嫉妬が「愛情深さ」を測る指標として機能する場面がなくなることで、人間関係が淡泊になるかもしれません。
人間らしさがなくなる
嫉妬が完全になくなった時、それは人間らしさがあると言えるのでしょうか?人間を人間たらしめるのは、ポジティブな感情だけではなく、葛藤や苦悩も含まれるのではないでしょうか。
幸福を感じることが難しくなる
嫉妬がなくなれば、確かに平和で穏やかな生活が実現するかもしれません。しかし、苦悩があるからこそポジティブな気持ちを感じることができます。このコントラストがなくなると、「幸福」を感じることは難しくなるかもしれません。
嫉妬をしない人は本当にいる?
「私は人に嫉妬することがない」という人を見かけたことはありませんか?本当に嫉妬をせずに生きている人はいるのでしょうか?
1,他人と比較することにほとんど関心がない
自分の価値観や生き方が明確で、他人と比較することにほとんど関心を持たない人もいます。
- 自己肯定感が非常に高い:他人の成功や持ち物が自分に価値を脅かすとは感じない。
- 個別主義な考え方:他人の人生と自分の人生は完全に別物だと割り切れている
- 感謝の習慣がある:自分の現状に満足し、他人のもつ者を羨むことが少ない
この様な人たちは実際に嫉妬の感情をほとんど経験しない可能性があります。
2,嫉妬を別の感情として捉えている
嫉妬を感じていても、それを「モチベーション」や「尊敬」などの別の感情に変換している場合があります。
- 「嫉妬」ではなく「憧れ」と捉える:他人の成功を見ても「自分も頑張ればあのようになれる」とポジティブに解釈する
- 感情の捉え方が異なる:嫉妬を負の感情と認めたくないため、別の言葉に置き換えている
このように、本人は「嫉妬しない」と感じていますが、実際には同様の感情を経験している可能性があります。
3,気が付いていないだけ
自分が嫉妬していることに気が付かないひともいます。
- 感情に鈍感:自己分析が得意でないため、嫉妬を経験してもそれがなんの感情なのか認識できない
- プライドの防衛機制:自分が嫉妬深いと認めることは、自尊心を傷つけると感じるため、無意識にその感情を抑制している
- 嫉妬を他者に投影する:自分の嫉妬心を無意識に否定し、他人の行動にその原因を見つけようとする
過度な嫉妬をやめるためには?

自分の嫉妬を認める
嫉妬を否定しない
まず、自分が嫉妬していることを認めることが重要です。「嫉妬してはいけない」と否定すると、感情が無意識のうちに積み重なり、さらに強くなる場合があります。「あの人の成功をみて、自分がうらやましく思っている」と言葉にして認識してみましょう。
嫉妬の原因を特定する
嫉妬の背景には「他人が持っていて自分にないもの」があります。具体的に何に対して嫉妬しているのか(成功、外見、人間関係など)を分析してみましょう。
比較が減る環境を作る
他人との比較をやめる習慣をつける
嫉妬は他人との比較から生じます。比較の対象を他人ではなく「過去の自分」に切り替えることで、自己成長を実感しやすくなります。今日できたことを日記に書いたり、月ごとに自分の進歩を記録することで自分自身と比較しやすくなります。
SNSの使い方を見直す
SNSは嫉妬の感情を煽りやすい環境です。他人の華やかな瞬間だけをみて自分と比較してしまう場合、SNSの使用時間を制限したり、フォローする人を見直すのも効果的です。
自分の価値観を考える
本当に欲しいものを考える
他人が持っているものに嫉妬してしまったときは、それが自分にとって本当に必要かどうかを考えてみてください。社会や周囲の価値観に影響されているだけかもしれません。「高級車を持っているあの人に嫉妬しているけど、本当に欲しいのは安定した生活かもしれない」というように、自分が本当に欲しいものを明確にしましょう。
感謝の気持ちを持つ
自分がすでに持っているものに目を向けると、他人の持ち物に対する羨望が薄れます。日記に「今日嬉しかったこと」を書き出すなど、毎日感謝することをリストアップするする習慣をつけるのもおすすめです。
自己肯定感を高める
自分を認める練習をする
嫉妬は自己評価の低さが原因であることが多いです。こちらの自己肯定感を高める方法を参考にして、自分を認める練習をしてみましょう。
目標を自分で設定する
他人の成功に惑わされないために、自分が達成したいことを明確にしましょう。その目標が具体的であればあるほど、他人に嫉妬する暇がなくなります。
嫉妬をポジティブなエネルギーに変える
嫉妬を行動に変える
嫉妬を感じた時に「なぜ自分がそうなりたいのか」を深掘りし、そのために行動を起こすきっかけにしましょう。「あの人の英語力がうらやましい」と思ったら、自分も英語の勉強を始めるなど、嫉妬を行動の原動力にすることで、成長をチャンスに変えられます。
ロールモデルとしてとらえる
嫉妬の対象を「憧れの存在」や「目標」と捉えることで、「あの人みたいになりたい」という成長のモチベーションに変え、ポジティブな影響を受けることができます。
嫉妬を軽減する工夫をする
瞑想やマインドフルネスを実施する
感情を観察し、手放す力を養うために、瞑想やマインドフルネスを日常に取り入れることがおすすめです。マインドフルネスは瞑想に比べて手軽に実施することができるのでこちらの記事を参考に挑戦してみてください。
生活習慣を見直す
嫉妬の感情は、ストレスや疲労、不安感と結びついている場合が多いです。十分な睡眠、バランスの良い食事、運動などを心がけることで感情を安定させやすくなります。
他人の成功を祝福する練習をする
成功を分かち合う
他人の成功を祝福することで、自分もポジティブな気持ちになれることがあります。小さな場面からでも、「おめでとう!すごいね」と他人を応援する練習をしてみましょう。
嫉妬の感情を打ち明ける
信頼できる人に、自分が感じている嫉妬を正直に話してみることで、感情が和らぐ場合があります。また、共感やアドバイスがもらえたり、話すことで感情が整理でき嫉妬の原因を明確にすることにも繋がります。人に話しにくい場合は、話を聞いてくれるアプリを利用するのもおすすめです。
まとめ
嫉妬が存在しない世界は平和でストレスのない理想郷のようにみえます。しかし、嫉妬があることで自分を成長させたり、人間を人間たらしめているともいえます。嫉妬をしない世界を望むことよりも、嫉妬とうまく付き合っていく方法を模索することで、より豊かで素晴らしい未来を築くことができるのではないでしょうか?

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今回も人と関わっていくうえで避けることはできない人間関係の悩みを減らすための手助けになる情報をまとめました。他の記事もありますので、あなたが今よりより生きやすくなる手助けになれば嬉しいです!X(Twitter)でお悩みの募集もしています。