ドラマクイーン、ドラマキングは日常的な場面で感情を大げさに表現し、些細な出来事を感情的に過剰に反応してしまう人を指す言葉です。今回はそんなドラマクイーン・ドラマキングとはどんな人なのか、心理的な背景をまとめ、このような言動が多い人はドラマクイーン・ドラマキングの可能性があるというチェックリストを紹介します。
miho
職場や学校、友達同士など、この社会の中で生きている限り、人との関わりは必要不可欠ですよね。それゆえにどんな人でも、大なり小なり人間関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。国内の発行部数が300万部を超える「嫌われる勇気」でも「すべての悩みは対人関係の悩みである」というアドラーの教えが出てきます。ここではそんな人間関係の悩みについて具体的に考え、より生きやすくなる手助けができれば嬉しいです!
ドラマクイーン・ドラマキングとは?
、舞台や映画・ドラマでは、感情や出来事を大げさに書かれることが一般的です。そのため、現実の世界で何事も大きく表現したり、注目を集める人に対して「ドラマクイーン」「ドラマキング」といった言葉が使われるようになりました。また、「クイーン」「キング」が用いられているのも、「女王」や「王」のように支配的で、際立ったリアクションをするというイメージが含まれているともいわれています。
日常的に使われるようになったのは?
1960年ごろから英語圏で使われ始め、特にアメリカで始まったとされています。テレビドラマやリアリティーショーで使用したことで一般的にも使われる言葉となりました。最近ではSNSやメディアでも頻繁に使われ、大げさな感情表現を批判・指摘する形で使われることが多いです。
ドラマクイーン・ドラマキングにはどんな人が多い?
この言葉は「ヒステリックな性格」や「承認欲求が強い性格」を表現するために使われることもあります。このような性格の傾向を持つ人は、自己肯定感や他人からの評価に敏感であり、劇的な表現をして、自分の存在感を確かめようとするため、大げさな反応が多くなると言われています。
5個以上当てはまるとドラマクイーン・ドラマキングの可能性が!診断
- 「何で私だけ?」や「どうしてこうなるの?」と、自分だけが被害を受けていると主張することが多い。
- 「絶対に許せない!」や「信じられない!」と強い表現で怒りや驚きを表す。
- 小さな出来事にも大きな反応を示し、周囲の人の注目を集めようとする。
- 周囲の人の言動に敏感で、些細なことでも傷ついたり怒ったりする。
- 「本当に最悪!」など、些細な問題でも極端な言葉で状況を表現する。
- 他人のアドバイスや指摘を「でも」「だって」と言い分けで返すことが多い。
- 自分の意見や話を聞いてもらえないと、機嫌が悪くなることがある。
- 「こんなことがあってね…」と、自分の話を繰り返し続けることが多い。
- 他人から注目されると生き生きし、関心が薄れると不機嫌になる。
- 他人とよく比較して、「〇〇さんばかりずるい」「私だけ損してる」など不満を言う。
- 自分の気持ちや意見を最優先にしたがり、周囲の予定や都合を考えないことがある。
- 「私はいつも頑張っているのに!」と自己犠牲を強調する発言が多い。
5個以上当てはまった場合:ドラマクイーン・ドラマキングの可能性があるかもしれません。感情的な反応に巻き込まれない工夫をしてみましょう。
8個以上当てはまった場合:ドラマクイーン・ドラマキングの可能性が高いです。冷静な対応や感情的な境界を持つことで、関わる上でのストレスを軽減してみましょう。
何故人はドラマクイーン・ドラマキングになりやすいの?
周囲の関心や理解を得たい
大げさな反応をすることで、他者の注意を引き、共感やサポートを得たいという心理が働くためだと考えられています。特に以下の状況で、ドラマクイーン・ドラマキング的な振る舞いが現れることが多いです。
- 感情の解放:感情が高ぶったときに、それを表現することで自己調節しようとする行動です。感情を表に表すことで、気持ちをすっきりさせたり、他者からの反応を受け取ることで安心感を得ようとします。
- 共感を引き出す:人は共感を求める生き物です。大げさな表現をすることで他者からの共感を引き出しやすくすることがあります。また、大げさに反応することで、自分の感情を理解しやすくし、周囲が手助けしてくれるのを促している場合があります。
- 自分の存在を強調したい:一部の人は、自分が注目されることで「重要な存在である」と感じることができ、これによって自己評価が高まります。周囲に対して「自分はこれほどまでに影響力がある」と認識させるために、大げさに感情表現をするケースがあります。
自尊心と承認欲求
自分の存在や価値を他者から認めてもらいたいという思いが強い場合があります。
- 自己肯定感の不足:自尊心が低い人や自己肯定感が欠如している人は、自分の価値を他者の反応や評価に依存しがちです。そのため、他者の注目や共感を引くことで、自分の価値を確認しようとします。
- 承認欲求の影響:承認欲求の強い人は、自分の意見や感情を他人に強く訴えかけ、理解してもらおうとします。大げさな表現をすることで、より多くの共感や関心を引き出すことができ、自分が重要視されていると感じます。
- 見捨てられ不安:自尊心が低い人は、他人から無視されたり、否定されたりすることへの恐怖心が強いことが多いです。そのため、大げさに振舞うことで自分の存在を強くアピールし、見捨てられることを回避しようとします。
幼少期の経験や過去の人間関係
幼い頃の経験、家庭環境、特定の人間関係における対応が、感情表現のパターンに大きな影響を与えていることがあります。
- 感情表現が求められる環境にいた:大家族だった、両親が多忙だったなど、幼少期に親や家族から大げさな反応をすることで注目されてきた場合、それが習慣化されている場合があります。
- 無視されることへの恐怖:幼少期に愛情不足や無視される経験をした人は「自分は目立たないと愛されない」と感じやすくなります。その結果、大人になっても自分の感情や存在を強調することで他者からの承認を得ようとするようになります。
- 過去の人間関係での失望:過去に深い人間関係で傷ついた経験を持つ人は、他者への不信感が強まり、大げさな表現をして自分を守ろうとすることがあります。信頼していた人に裏切られたり、理解されなかった経験があると、感情的な表現で自分を強くアピールし、防御的な態度を取るようになります。
周りにいるとどんな問題がある?
- 人間関係もトラブルが増える
彼らの感情の浮き沈みに巻き込まれることが多くなり、周囲の人にとってストレスの原因になります。過剰な感情表現や批判的な態度が続くと、精神的に疲弊してしまい、距離を取りたくなることも。 - 不要な対立や誤解が生まれる
些細なことで対立や誤解が生まれることが多くなります。特に誤解や被害妄想によって周囲の人の行動を批判的に受け取られると、問題がさらに複雑化してしまいます。相手に悪意がない場合でも、ドラマクイーン・ドラマキングはネガティブに解釈しやすい傾向があるため、意図しない争いや良くない関係が生まれがちです。 - 周囲の生産性や集中力が低下する
職場やグループ活動の際にドラマクイーン・ドラマキングがいると、感情的な反応や話題が活動の妨げになることも。頻繁にネガティブな話題や愚痴を持ち出したり、注目を集めようとする行動は、周囲の人の集中力をそぎ、全体の生産性を下げる要因になります。 - 自分の意見や感情を伝えにくくなる
ドラマクイーン・ドラマキングの周囲にいると、他者が自分の意見や感情を自由に表現しづらくなることがあります。彼らが話を独占したり、強い感情を主張することで、周囲は自分の意見を言いづらく感じ、結果として自己表現が制限される状況が生まれます。 - 不安や緊張感が蔓延する
ドラマクイーン・ドラマキングの周囲では、常に予測不能な反応や感情の爆発があるため、周りの人は彼らの反応に気を遣うようになります。ちょっとした発言で不機嫌になるかもしれないという不安感があり、これが長期的な緊張へとつながります。
ドラマクイーン・ドラマキングが近くにいるとこんなトラブルが起こるかも…
職場
Aさんは職場で、ちょっとしたミスやトラブルが発生すると大騒ぎし、「これは大問題だ!」と上司や同僚を巻き込みます。
例えば、プレゼン資料の一部に誤りがあると気づいた際に、慌てふためいて
Aさん
どうしよう!こんなミスがあったなんて、信じられない!
と責任を感じる同僚や上司に報告し続け、全員が彼女の不安に引きずられてしまいます。
問題が解決しても、Aさんは
Aさん
また別のことが心配で…
と別の問題に目を向け、同僚たちは問題解決が終わる気配を感じられず、精神的に疲弊していきます…
友人間
Bさんは友人グループ内で、いつも自分の不幸話やトラブルを持ち出して周囲の関心を集めます。
例えば、恋愛で傷ついたときには
Bさん
私の気持ちなんて誰も理解してくれない!
と強く訴え、友人たちがどんなに励ましても
Bさん
でも彼は絶対にわかってくれないの!
と否定的な反応ばかり示します。
やがて、友人たちはBさんの話を聞くことに疲れ、他のメンバーで集まるときにBさんを避けるようになります。Bさんはさらに孤独を感じ、
Bさん
やっぱり誰も私のことを大事に思ってくれない
と感情的になり、友人関係が悪化していきます。
恋愛
Cさんは、恋人が少しでも気にかけてくれないと感じると、「私たちもう終わりだね…」「私を愛してないんだね」と過剰に反応します。
例えば、恋人が少しでも返信が遅れただけで、
Cさん
どうしてこんなに待たせるの?私のことなんてどうでもいいの?
と連絡を催促します。
これが続くと恋人はCさんの機嫌を伺いながらの生活に疲れてしまい、やがて、「この関係は疲れる」と感じ、Cさんに別れを切り出します。
Cさんはこの別れにさらに強く反応し、
Cさん
やっぱり誰も私を愛してくれない
とさらにドラマティックな感情を爆発させてしまいます。
ドラマクイーン・ドラマキングと関わるときに心掛けるポイント
感情的に巻き込まれないようにする
冷静さを保ち、相手の感情に過剰に反応しないようにしましょう。
適切な距離を保つ
相手の問題に引き込まれすぎず、自分を守るための距離感を意識しましょう。
境界線を明確にする
相手が過度に依存しないよう、「今は自分の時間を大切にしたいな」など、必要なときに境界線を引くことが大切です
まとめ
今回はドラマクイーン・ドラマキングについて特徴やチェックリストをまとめました。周りにこんな人いるな…と感じた人も多いのではないでしょうか。
miho
今回も人と関わっていくうえで避けることはできない人間関係の悩みを減らすための手助けになる情報をまとめました。他の記事もありますので、あなたが今よりより生きやすくなる手助けになれば嬉しいです!X(Twitter)でお悩みの募集もしています。