あなたの周りにも仕事場で部下や同僚の行動を細かく指示をしたり、家族や友人の生活に口を出したりする人はいませんか?「コントロールフリーク」とはその様な、他人や物事を過度に支配しようとする人を指す言葉です。このタイプの人は理想通りにコントロールしたいという強い欲求を持ちます。ではなぜこのような行動をとってしまうのでしょうか?また、周りにその様な人がいるとどのような影響があるのでしょうか?具体的に考えていきます。

miho

職場や学校、友達同士など、この社会の中で生きている限り、人との関わりは必要不可欠ですよね。それゆえにどんな人でも、大なり小なり人間関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。国内の発行部数が300万部を超える「嫌われる勇気」でも「すべての悩みは対人関係の悩みである」というアドラーの教えが出てきます。ここではそんな人間関係の悩みについて具体的に考え、より生きやすくなる手助けができれば嬉しいです!

「コントロールフリーク」の特徴は?

  • 完璧主義:自分や他人に対して非常に高い基準を持ち、ミスや不確実性を許すことができない。
  • 細かい指示:他人に指示を出しがちで自分の考え通りに行動してもらうことを求める。
  • 信頼できない:他人を信用できないと感じ、すべての物事に目を光らせていないと不安になる。
  • 柔軟性がない:自分の計画や意図に固執し、他人の意見や方法を受け入れられない。

コントロールフリークな性格の背景には、不安感や不確実性への恐れがあることが多く、周囲をコントロールすることで安心感を得ようとします。しかし、これがエスカレートすると、周囲の人々にストレスや不快感を与え、人間関係に悪影響を及ぼすことも。

|チェックリスト|5個以上当てはまると「コントロールフリーク」の可能性あり

  • 他人の行動に細かく口を出し、自分の望むように導こうとする
    例:他人が何か行動するたびに「それよりもこうしたほうがいい」「どうしてそうしたの?」と助言や指摘を重ねる。
  • 決定事項や計画を自分で主導し、他人の意見をあまり聞かない
    例:予定やプランを相手に相談せずに自分で決め、「これでいこう」と主導することが多い。
  • 他人のやり方を認めず、自分の方法が常に最善だと考える
    例:相手が何かすると「私だったらこうする」「そのやり方じゃうまくいかない」と自分のやり方を押し付ける。
  • 他人の仕事や作業に不満があり、過度に手を加えたがる
    例:「私がやってあげるからいいよ」「ちょっと直してもいい?」と細部にまで介入し、最終的に自分の手でやり直そうとする。
  • 不安やリスクを極端に嫌い、すべての状況を自分の支配下に置こうとする
    例:「こうじゃないと気が済まない」「心配だから最初から確認させて」と、不確実な要素を排除しようとする。
  • 予想外の変更や突発的な事態にストレスを感じ、苛立ちを見せる
    例:「なんでこうなったの?」「予定外のことはしたくない」と変更に対応することが苦手。
  • 完璧主義で、自分や他人のミスに厳しく、妥協を許さない
    例:「絶対にこうじゃないとダメ」「完璧にできてないと気になる」と結果だけではなくプロセスも完璧を求める。
  • 他人を十分に信頼できず、細かいところまで監視・確認をしようとする
    例:「ちゃんとやってるか確認させて」「後でチェックするから」と言って、他人を信じて任せることができない。
  • 他人の時間や行動に制限をかけ、自分のペースに合わせようとする
    例:「〇〇時までに終わらせてほしい」「私に合わせてくれる?」と、相手のペースを尊重せずに管理する。
  • 感謝や賞賛を与えることが少なく、改善点や欠点ばかり指摘する
    例:「もっとこうした方がいい」「次はこうして」と、相手の努力に対して否定的な反応を返す。

全10問のうち、5個以上当てはまる場合は、コントロールフリークの傾向が強い可能性があります。
※傾向がみられても、必ずしもすべての状況でコントロールフリークに該当するとは限りません。場合によっては、相手の不安やストレスが一時的に影響している場合もあるので、継続的にそのような行動がみられるのかも考慮することが大切です。

コントロールフリークな人が周りにいるとどんな影響がある?

  • 信頼関係が悪化する
    コントロールフリークは他人に任せることが苦手で、相手のやり方を信用しない傾向があります。そのため、相手は「信用されてない」とかんじ、関係が悪化することがあります
  • コミュニケーションの疲弊
    指示や干渉が多くなるため、相手はコミュニケーションに対してストレスを感じます。些細なことに対しても意見されるため、対話が義務感やストレスの元となりやすくなります。
  • 自尊心が低くなる
    相手のやり方を否定し、自分の方法を押し付けがちなため、相手は自信を失いやすくなります。結果として、意欲が低下し、自己評価が下がることがあります。
  • 自由が利かなくなる
    コントロールフリークは、自分のルールやスケジュールに相手を合わせようとします。そのため、相手が本来持っている自由が制約され、窮屈さを感じるようになります。
  • 成長の機会を妨害される
    自分で何でもやってしまうことから、相手が成長や学習の機会を得にくくなり、依存関係が生まれやすくなります。

恋人の場合

デートを計画するたびに恋人が「このレストランは絶対に満足するから」と食事の場所から行く場所まで一方的に決めてしまい、相手の意見を聞いてくれません。
最初のうちは頼りがいがあると感じていたのですが、毎回行先や予定が決められると

自分の好みや意見は無視されているのでは?

と感じるように。やがて

一緒にいると息苦しく感じる…

と思い始め、次第に距離を置くようになってしまいます。

友達の場合

グループ旅行を計画する際にある友達が「ここに泊まろう」「行く順番はこうしよう」「食事はここに決めておいた」とすべて勝手に決めてしまいます。ほかの友人が「別の場所も見てみたい」と提案しても、「それはあんまりよくないと思う」と却下され、行先や予定を変えることを許してくれません。
結果、他のメンバーは楽しさを感じられず、

こんな旅行なら来なければよかった…

と後悔してしまいました。

職場の場合

プロジェクトで、上司が「この順番で進めて」「ファイルの形式はこうして」「連絡内容も事前に確認させて」と細部まで支持し、進捗を逐一チェックしてきます。チームメンバーが新しい提案をしても、「そのやり方は違う」と否定され、自分たちのやり方で進めることができません。メンバーはやりがいを感じられず、

自分はここにいる意味がない…

と思い始め、プロジェクトへのモチベーションが低下してしまいました。

コントロールフリークな人との関わり方

コントロールフリークな相手と良い関係を築くには?

コントロールフリークの相手と付き合う際には、穏やかに自分の意見や立場を伝えることが大切です。例えば、恋人や友達であれば「私の意見も聞いてもらえると嬉しいな」と柔らかく伝えたり、職場であれば、「こういうやり方も考えたんですが、どう思いますか?」と提案型で会話することで、少しずつ相手が柔軟になる可能性があります。また、このような行動は不安から来ている場合が多いため、「あなたの計画がしっかりしているおかげで、私も安心して進められる」など、相手が安心できるようにすると、干渉が減ることも期待できます。

自分がコントロールフリークだと感じた時は

  • 他人を信頼し、任せることを学ぶ
    まずは友達と遊ぶプランなど小さな課題から、他人に任せる練習をしましょう。少しずつ「自分がいなくても、物事はうまくいくかもしれない」という感覚を身に着けることが重要です。最初は不安かもしれませんが、徐々に任せる範囲を広げていきましょう。
  • 完璧主義を手放し、結果よりも過程を評価する
    自分が抱える完璧主義の基準を少し緩めて、過程そのものを評価するように意識しましょう。結果だけでなく、他人の努力や工夫に目を向けることで、評価の視点が広がり、自分自身も柔軟な考え方が出来るようになります。
  • アドバイスではなくサポートに回ってみる
    アドバイスや支持を出したい気持ちを抑え、「何かサポートが必要なら声をかけてね」という形で相手に寄り添うよう心掛けましょう。相手の自尊心を尊重しつつ、必要な時に協力できるようにすることで、頼りがいがあり協力し合える、良い関係を築くことができます。
  • 相手のペースや意見を尊重する
    他人のペースや意見が自分と異なることを受け入れる練習をしましょう。たとえば、家族や同僚が自分とは違うやり方で物事を進めていても、できるだけ「結果がでてから判断する」という姿勢を持つように意識しましょう。そうすることで相手のストレスが減り、そんなやり方があるのかと自己成長の機会を得ることにも繋がります。
  • 自分の不安の根源を見つける
    コントロールフリークな行動の多くは不安感からくることが多いため、なぜ不安を感じるのかを考える時間を持ちましょう。たとえば「自分が見ていないと失敗するのでは?」といった不安がある場合、他の成功体験や実績を思い出して、必ずしも自分が管理しなくてもよいことを認識することが大切です。
  • 自分の考えを押し付ける前に相手の意見を聞く
    自分の意見が最善だと思う場合でも、まず相手に「どう思う?」と聞く習慣をつけましょう。相手の考えを聞くことで、より強力的な関係が築け、自分にとっても新しい視点が得られることが多いです。
  • 柔軟性を持ち、変更を受け入れる練習をする
    計画や予定が変わることに不安を感じるかもしれませんが、小さな変化から受け入れる練習も大切です。例えば、予定していたものがキャンセルされたり、順番が変わったりしたときに「なにか別のことをやってみよう」と考えると、徐々に変化を楽しむ感覚が身についていきます。

まとめ

コントロールフリークな性格の背景には、不安や恐れがあることが多く、周囲をコントロールすることで安心感を得ようとするものがあります。しかし悪意がなくても周囲の人にストレスや不快感を与えてしまうこともあります。

miho

今回も人と関わっていくうえで避けることはできない人間関係の悩みを減らすための手助けになる情報をまとめました。他の記事もありますので、あなたが今よりより生きやすくなる手助けになれば嬉しいです!X(Twitter)でお悩みの募集もしています。

献立ガチャ
献立ガチャ|1億パターン!主食・メイン・副菜・汁物をガチャガチャで決めよう
真面目
真面目だから?人間関係がうまくいかない…堅苦しい人と真面目な人の違いを知ることが大切
カップル価値観の違い
カップル間で価値観の違いが目立つのは悪いこと?メリットと対処法をご紹介!
聞く力と理解する姿勢
「聞く力」と「理解する姿勢」を育てよう!相手の視点や意見を取り入れる練習でいい関係を築く
話題ガチャ
話題ガチャ|盛り上がるトークテーマをガチャガチャにしました!
おすすめの自己分析サイト7選!適職や自分の長所・性格タイプがわかる
仕事のミスを減らそう
もう失敗したくない…仕事でミスを繰り返してしまう原因と解決策まとめ
人間関係リセット症候群
SNSの普及で増加している「人間関係リセット症候群」とは?原因と対処法を紹介