いつも人に合わせてしまい、疲れるけど、嫌われるから断れない。恋人や友達の態度が少し冷たく感じただけで、強い不安を感じる。こうした感情の背景には、「見捨てられ不安」が潜んでいるかもしれません。「私って、重いのかな?」と責めてしまう前に、この見捨てられ不安の正体を知ることが、自分を守る第一歩になります。目安となる診断付きです。

miho
この記事は次のような人におすすめです!
- 人に嫌われるのが怖くて、本音を言えない
- 恋人や家族に依存してしまう自分がつらい
- 相手の一言に振り回されて、心がしんどい
- 過去の人間関係の傷が、今も尾を引いている
- 自分を大切にする方法がわからない
- 人といい関係を築きたいけど、いつも疲れてしまう
職場や学校、友達関係など、社会の中で生きている限り、人との関わりは避けられません。だからこそ、多くの人が、大なり小なり人間関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。
国内で300万部を超えるベストセラー『嫌われる勇気』では、アドラー心理学の考え方として「すべての悩みは対人関係の悩みである」という主張が紹介されています。
このサイトでは、そんな人間関係の悩みを解決するためのヒントをまとめています。
この情報が、あなたの人生を少しでも生きやすくする手助けになれば嬉しいです!
「見捨てられ不安」とは?

見捨てられ不安(Abandonment Anxiety)とは、大切な人に見捨てられるのではないか、関係が壊れてしまうのではないかという強い不安や恐れのことです。
- LINEの既読スルーが続くと、いてもたってもいられない
- 相手に嫌われたくなくて、いつも自分を抑えてしまう
- 恋愛関係で相手のちょっとした言動に一喜一憂してしまう
このような不安はだれにでもあるものですが、特に強く感じる人は、愛着スタイルの影響を受けている可能性があります。
愛着スタイルと見捨てられ不安
心理学では、人との関係性のパターンを愛着スタイルとして分類します。
- 安定型:自分も相手も信じられるタイプ
- 不安型:相手に嫌われることが怖くて、常に不安を抱える
- 回避型:距離をとることで自分を守ろうとする
この中でも不安型の人は特に見捨てられ不安を感じやすい傾向があります。
ただし「不安型=ダメ」というわけではありません。
むしろ、「人を大事にしよう」とする気持ちが強いからこそ、感じやすいとも言えるのです。
「見捨てられ不安度」診断
見捨てられ不安度診断
「はい」の数によって3つのタイプに分類されます
- 0~9個:安定タイプ
見捨てられ不安が比較的少なく、他人との距離をうまくとれるタイプです。自立心と安定感があり、信頼関係も築きやすい傾向があります。ただし、周囲の繊細な人の気持ちにも寄り添えると、より豊かな人間関係が築けるかもしれません。 - 10~15個:やや不安タイプ
見捨てられ不安を感じやすい一面があり、相手の反応に敏感になることがあります。共感力が高く、人を大事にする反面、気を遣いすぎて疲れてしまうことも。無理せず「自分の気持ち」も大切にしてみて。 - 16~20個:見捨てられ不安が強いタイプ
関係が壊れることへの恐れが強く、人に合わせすぎたり、常に不安を感じやすい傾向があります。でもそれは「つながりを大切にしたい」という気持ちの裏返し。自己肯定感を育てること、自分の価値を自分で認めることが不安を和らげる第一歩です。
なぜ見捨てられ不安を抱えるの?3つの原因
1.幼少期の親との関係(愛着の形成)
子ども時代の親との関係は人間関係の原型になります。
- 両親が忙しくてあまり構ってもらえなかった
- 気分屋の親に振り回されて、安心できる環境がなかった
- 愛情を感じられない家庭で育った
こういった経験があると、「見捨てられるのでは」という感覚が心の奥に刻まれ、大人になってからの人間関係にも影響を与えます。
2.過去の人間関係での傷ついた体験
- 仲の良かった友人に突然距離を取られた
- 恋人に突然別れを告げられた
- 信頼していた人に裏切られた
こうした心の裏切られ体験は「また同じことが起きるのでは?」という警戒心や恐れにつながります。特に、繊細な人ほど、傷が深くなります。
3.SNS時代の「即レス文化」と比較地獄
現代ならではの要因として、SNSも見捨てられ不安を増幅させます。
- 既読スルーや未読無視が拒絶のように感じられる
- みんなが楽しそうにしているのを見ると、自分だけ仲間外れな気がする
- 「私だけ誘われてない…?」という孤独感
情報が多くて繋がっているはずなのに、自分だけ取り残されている感覚が強くなりやすいのが現代の特徴です。

このように、見捨てられ不安は個人の弱さではなく、経験と環境がつくった自然な感情です。まずはそれを責めるのではなく、「ああ、そうだったんだな」と理解してあげることが、最初の一歩になります。
見捨てられ不安がもたらす影響
見捨てられ不安は、ただ心がざわざわするだけではありません。
気付かないうちに、あなたの行動や人間関係、さらには自己肯定感にも影響を与えていることがあります。
1.過剰な気遣いや自己犠牲
- 相手に嫌われたくなくて、何でも「いいよ」と言ってしまう
- 自分の予定や気持ちより、相手の都合を優先する
- 「察して」や「先回り」で疲れてしまう
結果として「なんで私ばっかり…」と感じたり、人間関係がどこか歪んでしまうことも。

依存的な恋愛・友情
- 相手の一挙一動が気になって、気分が振り回される
- 相手が離れていくのが怖くて、必要以上にしがみついてしまう
- 相手がいないと、自分の存在価値が見えなくなる
つながっていたい気持ちが強すぎて、逆に関係を苦しくしてしまうこともあります。
3.不安・ストレス・自己肯定感の低下
- 日常的に不安や緊張を感じやすい
- 「どうせ私は見捨てられる」と思い込みやすくなる
- 「自分には価値がない」と感じやすくなり、気力も下がる
この状況が続くと、メンタルの不調(うつや不眠など)につながるケースもあります。
4.関係が「本音でつながれない」ものになってしまう
- 自分の本当の気持ちを出せない
- 表面上はうまくいっても、どこか不安や緊張が続く
- 疲れるから人と距離を取りたくなる→孤独感が深まる
つまり、人とつながりたいのに、うまくつながれないという悪循環に陥ってしまうのです。
不安とどう向き合う?セルフケアと対処法5選

不安をなくしたいと思うのは自然なこと。しかし、見捨てられ不安は消すのではなく、うまく付き合っていくことが大事です。
1.「不安を感じていい」と認める
まず、不安を否定せず認めましょう。
- こんなことで不安になるなんておかしい
- 弱い自分が嫌だ
そう責めるのではなく、「それだけ人を大切に思うことができているんだ」と認めることが大切です。
2.自分の気持ちを言葉にする練習をする
見捨てられ不安がある人は、「相手に合わせる」ことが習慣になりがちです。でも、本音を抑えすぎると、心はどんどん苦しくなります。
- ちょっと寂しかったな
- 本当はこう思ってたんだ
こんな風に自分の本音を少しずつ伝える練習をしてみましょう。いきなり相手に言うのが怖い場合は、まずは日記やメモからはじめてもOKです。
3.アサーティブなコミュニケーションを身に着ける
我慢でもなく、攻撃でもなく、自分も相手も大切にする伝え方=アサーティブコミュニケーションは、見捨てられ不安と向き合うのにとても役立ちます。
- どうせ自分なんか…
→〇私はこんな風に感じた - なんでそんなことするの?!
→〇私は〇〇された時、こう感じた
アサーティブコミュニケーションについてはこちらの記事で詳しくまとめています
4.安心できる関係を少しずつ増やす
見捨てられ不安が強いと、「いつも気を遣う人間関係」に疲れてしまいがちです。でも、安心できる人との関係があると、不安はゆっくり和らいでいきます。
- 本音を言っても受け止めてくれる人
- 沈黙しても気まずくない人
- 自分を演じなくてもいい相手
こうした関係を焦らず少しずつ増やすことが、自分を癒すことに繫がります。
5.専門家の力を借りるのも選択肢
自分一人で頑張ってもなかなか変わらない時は、カウンセリングや心理療法を使うのも大事な手段です。

見捨てられ不安は、一朝一夕でなくなるものではありません。
でも、「不安とともに生きる知恵」を身に着けていくことで、人との関係が少しずつ変わっていきます。
不安に支配されるのではなく、不安とともに自分らしく生きるためには、「知ること」がとても重要です。
まとめ
見捨てられ不安は多くの人が密かに抱えている心のクセのようなものです。だから、見捨てられ不安を抱えていても大丈夫。あなたはすでに、人とつながりたいという優しさを持っています。その気持ちとうまく付き合っていくことで、自分にも他者にも優しく、穏やかに人とつながれるようになります。

miho
今回も人と関わっていくうえで避けることはできない人間関係の悩みを減らすための手助けになる情報をまとめました。他の記事もありますので、あなたが今よりより生きやすくなる手助けになれば嬉しいです!X(Twitter)でお悩みの募集もしています。