家族とのやりとりで心がモヤモヤした経験はありませんか?たとえば、夫がずっと黙ってスマホをいじっている、子どもが何も言わずに部屋に閉じこもるなど。でも、そんなときって相手の本当の気持ちをちゃんと見られているでしょうか?今回は、哲学者プラトンが語った「洞窟の比喩」というお話を通して、家族のすれ違いの正体とその解き方について探ります。

miho
この記事は次のような人におすすめです!
- 家族とのすれ違いでモヤモヤすることがある
- 哲学を優しく日常に活かしたい
- 相手の言動を悪く受け取って落ち込みやすい
- 自分の感情の受け止め方を見直したい
職場や学校、友達関係など、社会の中で生きている限り、人との関わりは避けられません。だからこそ、多くの人が、大なり小なり人間関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。
国内で300万部を超えるベストセラー『嫌われる勇気』では、アドラー心理学の考え方として「すべての悩みは対人関係の悩みである」という主張が紹介されています。
このサイトでは、そんな人間関係の悩みを解決するためのヒントをまとめています。
この情報が、あなたの人生を少しでも生きやすくする手助けになれば嬉しいです!
プラトンってどんな人?
プラトンは、2500年も前に生きていた、ギリシャの哲学者です。
「人間って何を信じて生きているんだろう?」「本当の良さって何だろう?」と言うような、今の私たちにも通じる問いをたくさん考えました。「ソクラテス」に学びながら、正義・愛・真実などをとことん深掘り、比喩を使って分かりやすく伝えるのが得意でした。
洞窟の比喩ってなに?

洞窟の比喩(どうくつのひゆ)とは、プラトンが考えた人間の勘違いに気付くためのたとえ話です。難しそうに見えて、実は日常にぴったり重なる内容です。
暗い洞窟の中にいる人たち
あるところに、生まれた時からずっと、暗い洞窟の中に閉じ込められている人たちがいます。彼らは
- 手も足も動かせない
- 顔も動かせない
- ずっと正面の壁しか見ることができない
見えるのは「影」だけ
この洞窟の後ろには火が燃えています。火の前をいろんなものが通ると、その影が、目の前の壁に映ります。
でも、彼らは生まれてからずっとその影しか見ていません。だから、こう思っているのです。

この影が、この世界のすべてなんだ。
影こそが現実だ。
ある日のこと
そんな中の一人がふと洞窟から外に出ることになります。そして彼は、そこで初めて知ります。
- 陰ではなく、本物の物体があったこと
- その物体は、太陽の光に照らされていたこと
- そして、自分たちが見ていたのは現実のコピーだったこと
プラトンが伝えたかったこと
この話が何を表しているのかというと

プラトン
私たちは、ふだん本当の気持ちや真実を見ているようで、実は影しか見ていないことがある。
たとえば、
- 相手の表情や態度だけで「きっとこう思ってるに違いない」と思い込んだり
- 一度の行動だけを見て、「この人はこういう人なんだ」と決めつけたり
家族とのすれ違いも影かもしれない
プラトンの話の中で、人々は壁に映る「影」を現実だと思い込んで生きていました。でも、実際にあったのは、影ではなく、そのもとになった「本物の物体」でした。
影を現実だと思い込んでしまう瞬間
たとえば、
- 夫が無言=「私に冷たくしてる」
- 子供が部屋にこもる=「私の育て方が悪かった」
- 義母からのLINEがそっけない=「嫌われてるのかも…」
本当は何も言われていないのに、私たちはつい「そうに違いない」と決めつけてしまいます。
「見えていること=本当の気持ち」ではない
毛しかすると、その影はこうだったのかもしれません。
- 夫は疲れてただけで、話す元気がなかった
- 子どもは距離感に悩んでうまく言えなかった
- 義母はLINEが苦手で、短文になってしまっただけ
私たちが見ていたのは、「相手の行動」=影であって、その奥にある「本当の気持ち」ではなかったのかもしれません。
影をみて、勝手にストーリーを作ってしまう
私たちは、ほんの少しの情報から「きっとこうに違いない」と決めつけてしまいがちです。
- ありがとうって言われなかった=感謝してない
- こっちを見てくれなかった=私にイライラしている
でもこういうときは、洞窟の壁に映った影だけを見て物語を作ってしまっている状態です。
本当の「光のある場所」つまり相手の本心や事情を知らないまま、自分の中で「これが現実だ」と信じ込んでしまうのです。
たとえば…ママ友の誤解
ある日、ママ友が急に眼をそらしてきた気がして、「え?なんか怒ってる?」とモヤモヤした。
でも数日後に聞いてみたら、「実はその日、すっぴんで肌荒れがひどくて…見せられなかっただけ!」と笑って言われた。
これも勝手に怒っている影を見て、相手の本当の事情(=光のある現実)を見落としていた事例です。
誤解のループから抜け出すには?ヒントを3つ
「見えていたのは、影だったかも」と気づけたとき、私たちは、相手との関係に新しい光を差し込むことができます。
1.「これは影かも?」と疑ってみる
まずは、自分の解釈に気付くことが第一歩です。
「私ばっかり損してる…」「あの人冷たいな」と思った時、こう考えるクセを付けてみましょう。

もしかして、今の私、影しか見てないかも?
一度立ち止まって「これは現実?それとも思い込み?」と問い直すことで、感情の嵐に飲み込まれずに済みます。
2.本人にやさしく聞いてみる
洞窟から抜け出して「本当の世界」を知るためには、直接相手と対話することが一番の近道です。
- 「最近ちょっと話しにくそうだけど、なにかあったのかな?」
- 「さっきの言い方、ちょっと嫌な気持ちにさせちゃったかな?」
勇気がいりますが、ふんわり優しく聞いてみると、案外すんなり答えてくれることも。
相手も、わざとではないのに誤解されて困っているかもしれません。
3.「悪意」ではなく「事情」で考えるクセをつける
私たちはつい、「冷たい=わざと嫌がらせされた」と思いがちです。
でも、そこで「きっと事情があるだけかも」と考えるクセをつけましょう。
たとえば「返事がない→嫌われた」ではなく、「返事がない→疲れて寝ちゃったのかも」と優しめの想像をしておく。それだけで、心のざわざわが少し和らぎます。
まとめ
家族は近い存在だからこそ、ちょっとした言葉や態度に敏感になってしまいます。でも、その見え方は影であり、相手の本心は別にあるかもしれません。ヒントをもとに本心に近づこうとすることでほんの少し心が軽くなっていきます。

miho
今回も人と関わっていくうえで避けることはできない人間関係の悩みを減らすための手助けになる情報をまとめました。他の記事もありますので、あなたが今よりより生きやすくなる手助けになれば嬉しいです!X(Twitter)でお悩みの募集もしています。