後輩、部下、年上、家族、友達…人間関係の中では必ず指摘・注意する場面が出てきます。誰かに注意するのはとても勇気がいることです。でも実は、ちょっとしたコツさえ知っていれば、「言ってくれてありがとう」と感謝される伝え方も出来るのです。人間関係をより良くするための教え方とはどのようなものなのでしょうか?

miho
この記事は次のような人におすすめです!
- 家族・職場・友人との関係を、もっと良くしたいと思っている
- 注意するとき、いつも言葉選びに悩んでしまう
- 相手にうまく伝えられなくて、モヤモヤしてしまう
職場や学校、友達関係など、社会の中で生きている限り、人との関わりは避けられません。だからこそ、多くの人が、大なり小なり人間関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。
国内で300万部を超えるベストセラー『嫌われる勇気』では、アドラー心理学の考え方として「すべての悩みは対人関係の悩みである」という主張が紹介されています。
このサイトでは、そんな人間関係の悩みを解決するためのヒントをまとめています。
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なぜ人は注意される傷つくの?

注意や指摘はたとえ正しい内容であっても、なぜか嫌な気持ちになりますよね。それにはちゃんとした心理的な理由があるのです。
1.自尊心(プライド)が傷つくから
人は誰でも「自分はちゃんとしている」「評価されたい」という気持ちを持っています。
そんな中でミスや問題点を指摘されると、「自分が否定された」ように感じてしまうのです。
特に、人前で注意されたり、上から目線で言われたりすると、余計に恥ずかしい・むかつくと言った感情が湧いてきます。
2.攻撃されたと脳が認識してしまうから
人間の脳は、危険や脅威にすぐに反応するようにできています。
だからちょっと言っただけでも、相手の捉え方によっては攻撃=防御しなきゃ!と反応してしまうことがあります。
すると、「いやそれは違います」と反論されたり、ふてくされたりしてしまうのです。
これが相手が理屈ではなく本能的に守ろうとしているサインでもあります。
3.過去の経験や性格にも影響される
- 過去に強く怒られた経験がある人
- 完璧主義で、自分に厳しい人
- もともと自己肯定感が低い人
こういったタイプの人は、ちょっとした指摘でも大きく傷ついてしまいやすいのです。
「これくらい普通でしょ?」と思うような言い方でも、相手にとっては重たいパンチになることもあるのです。
相手を責めずに注意・指摘をする7つのコツ
「私は~」で始める(アイメッセージ)
相手を主語にすると、どうしても責めるような印象になります。
- ✕「あなたっていつも締切をまもらないよね」
- 〇「私は、予定どうりに進めたいから、守ってくれるとすごく助かるんだ」
「あなたは~」ではなく「私は~」にすることで、批判ではなく、気持ちの共有に変わります。
2.相手の立場を想像してワンクッション入れる
その場でストレートに言うよりも、クッション言葉があるだけで印象が和らぎます。
- 「今、忙しいところごめんね。でも少し気になることがあって…」
- 「体調悪かったら無理しないで。でも、この点だけ確認させてもらってもいい?」
相手を思いやっているという姿勢を見せることで、指摘の言葉も受け取りやすくなります。
3.タイミングを見極める
- 感情が高ぶっているとき(怒っている・疲れている・焦っている)
- 人前で注意する(恥をかかせる)
これはNGです。落ち着いたタイミングで、1対1で話すことが大切です。この「いつ言うか」が、伝わり方を大きく左右します。
4.共通のゴールや目的を先に伝える
注意する前に「あなたの敵じゃないよ」というスタンスを見せましょう。
- 「もっとスムーズに進められるようにしたくて…」
- 「みんなが気持ちよく動けるように、一つ確認したくて…」
責めるために言っているのではなく、より良くするためにという視点を最初に出すと、グッと伝わりやすくなります。
5.ユーモアや軽さを交える
ちょっとした笑いがあるだけで、雰囲気が和らぎます。
もちろん真剣な場ではNGですが、軽く注意したいときには有効です。
6.事実と感情を分けて伝える
- ✕「だらしないね」
→これは評価・レッテル貼りになるのでNG - 〇「2回連続で報告が抜けてたみたいだよ。私はちょっと焦っちゃった」
起きたこと(事実)とその時の自分の感情を分けて話すと、相手も冷静に聞きやすくなります。
7.最後にポジティブな一言を添える
注意だけで終わると、相手は「嫌われた…」「ダメな人間だと思われた…」と落ち込みやすくなります。
そのため、最後にちょっとした励ましを入れると、グッと印象が良くなります。
- 「でも全体的にはすごく丁寧にやってくれてるの、ちゃんと見てるよ」
- 「気付かないことって誰にでもあるし、次から意識出来たら完璧だと思う!」

注意や指摘は「何を言うか」よりも「どう言うか」の方が大事です。
ちょっとした工夫で、人間関係を壊さず、むしろ深めることも出来ます。
やってはいけない伝え方

1.人前で注意する
- 「みんなの前でバシッと言えば、改善されるはず」
公開処刑のように感じられる人も多く、恥をかかされたと受け取られます。
このような伝え方はプライドが傷つく→防御・反発→心が閉じるという負のループに入りやすくなってしまいます。
指摘は出来るだけ1対1で、落ち着いた環境で行いましょう。
2.「なんで〇〇なの?」という詰問口調
- 「なんでこんなミスしたの?」
- 「なんで聞かなかったの?」
このなんでは説明を求めるというより、責める口調に聞こえやすいです。
相手は「言い訳するなと言われているみたい」と感じてしまいます。
代わりに、「どうしてこうなったと思う?」と一緒に考える問いかけにするのが◎。
3.人格を否定するような言い方
- 「君ってほんと雑だよね」
- 「そういうところがダメなんだよ」
これは、行動ではなく人そのものを否定する表現です。
ミスや問題の指摘よりもずっと深く、相手の心に刺さってしまいます。
「〇〇と言う行動がこういう影響を与えてるよ」と事実ベースで話すようにしましょう。
4.過去のことを掘り返す
- 「前もそうだったじゃん」
- 「いつも同じミスするよね」
またか…という気持ちは分かりますが、過去を引っ張り出すと、今の話が「攻撃の材料」に変わってしまいます。
今この瞬間の問題にフォーカスしましょう。「今回はこうだったから、次はこうしよう」と未来志向で話すことが大切です。
5.勝手に決めつける
- 「どうせやる気なかったんでしょ」
- 「わざとだよね?」
意図を確認せずに決めつけで話すと、信頼関係が一気に崩れます。
たとえ相手に非があったとしても、「話す価値もない」とみなされたように感じてしまいます。
「~だったように感じたけど、どうだった?」と相手に話す余地を残す言い方にしましょう。

注意や指摘の本質は「相手を正したい」ではなく、「良くなるために協力したい」という気持ちのはずです。
その気持ちがちゃんと伝わるようにするためにも、相手を一人の尊重すべき人間として扱う意識を忘れないことが大切です。
まとめ
誰かに注意や指摘をするのは本当に難しいもの。でも、それは「相手と向き合いたい」「もっと良い関係でいたい」と思っている証拠です。
指摘の言葉は、言い方次第で攻撃にも信頼にもなります。
少しずつ伝え方を自分の中でアップデートしていくことで、あなたの周りには伝い合える人間関係が育っていきます。

miho
今回も人と関わっていくうえで避けることはできない人間関係の悩みを減らすための手助けになる情報をまとめました。他の記事もありますので、あなたが今よりより生きやすくなる手助けになれば嬉しいです!X(Twitter)でお悩みの募集もしています。