言いたいことが言えなくて我慢してしまう、つい強く言いすぎてしまうなど「対等な関係を築くコミュニケーション」はなかなか難しいもの。そんな時に身に着けると良いのがアサーティブコミュニケーションのスキルです。自分の意見や気持ちを誠実に伝えながら、相手の気持ちを尊重することのできるアサーティブコミュニケーションのスキルを身に着けることで、人間関係を円滑にすることができます。

miho

この記事は次のような人におすすめです!

  • 誘いやお願いを断るのが苦手な人
  • つい強く言いすぎてしまう人
  • 人間関係がスムーズにいかず、悩んでいる人
  • 自分の意見もしっかり伝えたいけど、相手の意見も尊重したい
  • 良い関係の友達を作るためのコミュニケーション方法を知りたい

職場や学校、友達関係など、社会の中で生きている限り、人との関わりは避けられません。だからこそ、多くの人が、大なり小なり人間関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。
国内で300万部を超えるベストセラー『嫌われる勇気』では、アドラー心理学の考え方として「すべての悩みは対人関係の悩みである」という主張が紹介されています。
このサイトでは、そんな人間関係の悩みを解決するためのヒントをまとめています。
この情報が、あなたの人生を少しでも生きやすくする手助けになれば嬉しいです!

アサーティブコミュニケーションとは?

アサーティブコミュニケーション(Assertive Communication)とは、相手を尊重しながら、自分の意見や気持ちを率直に、誠実に伝えるコミュニケーション方法のことです。
「自己主張」と聞くと、「強く意見を押し通すこと」と思われがちですが、アサーティブな伝え方は違います。
自分も大切にし、相手も大切にするという姿勢が特徴です。

アサーティブコミュニケーションの基本的な考え方

  • 自分の意見を持つことは大切(でも相手を傷つけなくていい)
  • 相手の意見も尊重することは大切(でも自分を犠牲にしなくてもいい)
  • お互いに対等な立場で話すことが大切(どちらかが支配的にならない)

つまり、アサーティブコミュニケーションは自分も相手も大切にする伝え方なのです。

アサーティブの意味

「アサーティブ(Assertive)」は英語のAssert(主張する)という言葉がもとになっています。ただし、押し付けがましく主張するという意味ではなく、「適切に、誠実に自己表現する」というニュアンスです。

このようなにはアサーティブコミュニケーションがとてもおすすめです

  • 言いたいことを我慢してしまう人(NOが言えず、ストレスが溜まる)
  • つい強く言いすぎてしまう人(相手との関係が悪くなりやすい)
  • 人間関係を円滑にしたい人(適切な伝え方を身に着けたい)

アサーティブコミュニケーションの具体例

①友達に貸したものを返してもらえないとき

  • 攻撃的な伝え方:「いい加減にして!いつまで返さないの?早く返してよ」
  • 受け身な伝え方:「まあ…別にいいよ(本当は返してほしいけど言えない)」
  • アサーティブな伝え方:「前に貸した本、読めたかな?そろそろ返してもらえると助かるな!」

返してくれないことを責めず、返してほしいことも優しく伝える

②自分も忙しい時に、仕事を手伝ってほしいと言われたとき

  • 攻撃的な伝え方:「私だって忙しいんだから無理に決まってるでしょ!自分でやってよ!」
  • 受け身な伝え方:「…わかった(本当は余裕がないけど無理して引き受ける)」
  • アサーティブな伝え方:「今、私も締め切りの仕事があるから、今回は手伝えないんだ。別の方法がないか一緒に考えようか?」

相手の依頼を否定せず、自分の状況も伝え、代替案を考える姿勢を見せる

③呑みに行こうと誘われたが、疲れていて行きたくないとき

  • 攻撃的な伝え方:「無理だよ!疲れてるんだから行くわけないでしょ!」
  • 受け身な伝え方:「うん…行くね(本当は断りたい)」
  • アサーティブな伝え方:「誘ってくれて嬉しい、ありがとう!でも今日は疲れてるからパスするね。別の日に行けたら嬉しいな!」

→断るときも感謝を伝え、代替案を出すことで関係を良好に保つ

このように、アサーティブコミュニケーションは率直に伝えるけど、相手を傷つけないというバランスが大事です!

アサーティブコミュニケーションを身に着けるには?トレーニング法5選!

1.「I(アイ)メッセージ」を使う練習

アサーティブな伝え方の基本は「I(アイ)メッセージ」を使うこと。
「あなたが〇〇だから…」ではなく、「私は〇〇と感じる」と伝えることで、相手を責めずに自分の気持ちを表現できます。

トレーニング法

練習問題

以下の文章を「I(アイ)メッセージ」に変換してみましょう!

  • 「何で遅刻したの?すごく迷惑なんだけど!」
    →(例)「私は時間を守りたいタイプだから、遅れると困ると感じるんだ」
  • 「部屋が散らかってて最悪!片付けできないんだね」
    →(例)「私は部屋が片付いている方が落ち着くな」
  • 「私は〇〇と感じる」の形で伝える
  • 感情を冷静に表現する(怒りをぶつけない)

2.ノンバーバル(非言語)コミュニケーションの練習

実は、人は言葉から受ける影響よりも、非言語(声のトーンや表情など)から受ける影響の方が大きいと言われています。「メラビアンの法則」によると、言葉から受ける影響はわずか7%で非言語から受ける影響が93%ほどあります。そのための言葉だけでなく、表情や声のトーンがとても大切です。冷静に伝えることで、相手に安心感を与えられます。

ノンバーバルコミュニケーションについてはこちらの記事で詳しく説明しています

トレーニング法

  • 鏡の前で落ち着いた表情で話してみる
  • 声のトーンを意識し、強すぎず優しすぎない声で話す
  • 相手の目を見て(アイコンタクト)、穏やかに伝える
  • 腕組やため息はNG!(防御的・批判的に見える)
  • 相手を見下したり、目をそらさない(自信を持って伝える)

3.「NO」という練習

断るのが苦手な人は、適切に「NO」と伝える練習をしましょう。

トレーニング法

よくある「断りづらい場面」を想定して、自分なりにアサーティブに断るセリフを考えてみましょう。

練習問題

友人からの誘いを断るとき

  • 攻撃的:「そんなの無理に決まってるでしょ!」
  • 受け身:「…うん、いけるよ(本当は行きたくない)」
  • アサーティブ:(例)「誘ってくれて嬉しい!でも、今日は疲れてるからまた今度にしたいな」
  • 感謝を伝えてから断る
  • 無理に言い訳しない
  • 「またの機会」を提案する

4.ロールプレイ(実戦練習)

実際にアサーティブな伝え方を練習相手と試してみるのも効果的です。家族や友達と実践するのが難しい場合は、気軽に話をすることのできるAIを相手にして練習するのもおすすめです。

おすすめのアプリはこちらにまとめています!

トレーニング法

  1. シチュエーションを設定する
    例:上司に意見を伝える・友人に頼みごとをする・家族に手伝いを頼む
  2. アサーティブなセリフを考える
    どんな言葉を使えば「率直かつ誠実に」伝えられるかを考える
  3. 実際に話してみる
    信頼できる人やAIアプリと会話の練習をしてみる
  • 練習なので失敗してもOK!
  • 自分の話し方のクセを客観的にチェックする

5.過去の会話を振り返る

日常生活で「もっとアサーティブに言えたかも?」と思う場面を振り返り、改善点を考えてみましょう。

トレーニング法

  • 「今日の会話で、もっといい伝え方はあったか?」を考える
  • 改善策をメモして、次回の参考にする

「昨日、上司に頼まれた仕事を断れなかった…」

改善案の例:「他の仕事があるので、機嫌を伸ばせますか?」と提案すればよかったかも!

  • 振り返ることで、次回から実践しやすくなる

アサーティブコミュニケーションを習得するとどんなメリットがある?

メリット①:ストレスが減る

言いたいことを我慢しなくてよくなる!

  • 受け身の人は「本当はNOと言いたいのに…」と我慢しがち
  • 攻撃的な人は「言い過ぎたかも…」と後悔しがち

→アサーティブに伝えられれば、「モヤモヤ」を溜め込まずに済みます

  • 受け身:「また仕事を押し付けられた…でも言えない…」
  • 攻撃的:「なんで私ばっかり!もうやらないから!」
  • アサーティブ:「今、他の仕事があるから、今回は手伝えないんだ」

きちんと伝えることで、ストレスを溜め込まなくなります!

メリット②:人間関係が良くなる

余計な誤解や衝突がなくなる!

  • 受け身:私ばっかり我慢しているのに、相手は分かってくれない…
  • 攻撃的:あの人、私のこと嫌ってる?

→アサーティブな伝え方をすれば、素直に気持ちを伝えられるので、お互いに誤解がなくなります

  • 受け身:「(本当は誘ってほしかったのに)別に大丈夫…」
  • 攻撃的:「なんで私だけ誘ってくれなかったの!?」
  • アサーティブ:「今度は一緒に行けたら嬉しいな!」

自然に気持ちを伝えられるようになり、人間関係が円滑になります!

メリット③:自分に自信がつく

自分の意見を堂々と言えるようになる

  • 受け身:どうせ私の意見なんて…と遠慮しがち
  • 攻撃的:私の意見が一番正しい!と押し付けがち

→アサーティブに伝えられれば、「私はこう思う!」と堂々と主張できます

  • 受け身:「みんなの意見に合わせよう…」
  • 攻撃的:「私はこう思う!絶対正しい!」
  • アサーティブ:「私は〇〇が良いと思うけど、他の意見も聞かせてほしいな!」

自分の意見を伝えつつ、相手の意見も尊重できるので、自信がつきます!

メリット④:NOが言えるようになる

無理なお願いを断れるようになる

  • 受け身:断るのが苦手…、相手が嫌な気持ちになるかも…
  • 攻撃的:そんなの無理!勝手にして!

→アサーティブに断れば、「NO」と言いながら関係を壊しません

  • 受け身:「…うん、いいよ(本当は嫌だけど断れない)」
  • 攻撃的:「は?無理だよ」
  • アサーティブ:「今回は手伝えないけど、また今度なら大丈夫だよ!」

角を立てずにNOと言えるようになり、無駄なストレスを減らすことができます!

メリット⑤:信頼されやすくなる

誠実で率直な人だと思われる

  • 受け身:本音が分からない、何を考えているの?と思われがち
  • 攻撃的:自己中心的、怖いと思われがち

→アサーティブな人は「誠実で信頼できる」と思われやすくなります

  • 受け身:相手が求めることを優先しすぎて、本当の自分が分からない…
  • 攻撃的:いつも強く言いすぎて、周りが距離をとる
  • アサーティブ:自分の意見も伝えつつ、相手の考えも尊重できるので、信頼関係が築きやすい

この人は正直に話してくれる、ちゃんと向き合ってくれると思われるようになります!

メリット⑥:人生の選択肢が広がる

自分の意思で行動できるようになる

  • 受け身:人に合わせすぎて、本当にやりたいことができない…
  • 攻撃的:自分の意思を押し通しすぎてチャンスを逃す

→アサーティブな人は、「自分の気持ち」を大切にしながら選択できます

  • 受け身:本当はやりたいけど、みんなの意見に合わせる
  • 攻撃的:自分のやりたいことを押し通して、周りの協力が得られない
  • アサーティブ:私はこうしたいけど、あなたはどう思う?

仕事・人間関係・人生の選択で、自分の意思を反映できるようになる!

まとめ

アサーティブコミュニケーションが出来るようになると、ストレスが減る、人間関係がスムーズになる、自分に自信がつくなど、たくさんのいい変化が起こります。少しずつトレーニングしていきましょう!

miho

今回も人と関わっていくうえで避けることはできない人間関係の悩みを減らすための手助けになる情報をまとめました。他の記事もありますので、あなたが今よりより生きやすくなる手助けになれば嬉しいです!X(Twitter)でお悩みの募集もしています。

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