「エゴが強い」と聞くと、自己中心的・わがままというようなイメージがありますよね。しかし、エゴがなさすぎると自分を押し殺してしまうことにもなるのです。そのため、大切なのは適切なエゴを持つこと。自分でエゴをコントロールできるようになると、自分らしさを保ちつつ、良い人間関係を築けるようになります。今回は、エゴが強い人の特徴や関わり方、自分自身のエゴのコントロール法をまとめました。自分のエゴの強さを測定する診断もあります。

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この記事は次のような人におすすめです!
- エゴが強い人との関わり方を知りたい
- 自分はエゴのバランスが取れているか診断したい
- そもそもエゴってなに?
- エゴを抑えつつ、自分らしさを保つ方法を知りたい
職場や学校、友達関係など、社会の中で生きている限り、人との関わりは避けられません。だからこそ、多くの人が、大なり小なり人間関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。
国内で300万部を超えるベストセラー『嫌われる勇気』では、アドラー心理学の考え方として「すべての悩みは対人関係の悩みである」という主張が紹介されています。
このサイトでは、そんな人間関係の悩みを解決するためのヒントをまとめています。
この情報が、あなたの人生を少しでも生きやすくする手助けになれば嬉しいです!
「エゴ」とは?

「エゴ」はもともとラテン語で「私」を意味する言葉です。「自我」と略され、心理学では自分という存在を認識しコントロールする心の働きを指します。
有名なフロイトの精神分析学では、エゴ(自我)は以下のように位置づけられています。
- エス(イド・Id):本能・欲求
「食べたい」「寝たい」「楽しみたい」など - エゴ(自我・Ego):現実と折り合いをつける
「でも、今は我慢しよう」「ここは理性的に…」など - スーパーエゴ(超自我・Superego):道徳・良心
「こうあるべき」「これは正しくない」など
つまり、エゴは本来、現実的に判断しながらバランスを取る役割を担うもの。エゴがあるからこそ、私たちは単なる欲望のままに生きず、理性的に行動できます。
日常での「エゴ」の使われ方
日常では、エゴは「自己中心的」「わがまま」と言った意味で使われることが多いです。例えば、
- 「あの人は、エゴが強すぎる」=自己主張が歯が敷く、周りの意見を聞かない
- 「エゴを抑えなきゃ」=自分の欲求な狩りを優先せず、他人を考えなければ
ただし、エゴが強いことは必ずしも悪いわけではなく、むしろ適度なエゴは必要です。例えば、
- 自分の意見をしっかり持つ(エゴがあるからこそ、自分らしい生き方ができる)
- 他人に流されすぎない(エゴがなければ、他人の意見ばかりに振り回される)
要するに、「エゴが強い=悪」ではなく、「エゴのバランスが取れていないこと」が問題になりやすくなります。
エゴとプライドの違い
プライドは自分の信念をもつことですが、エゴは他人を無視して自己中心的に振舞うこととして使われることが多いです。
「エゴバランス診断」あなたはエゴのバランスが取れている?
エゴバランス診断
「はい」の数によって4つのタイプに分類されます
- 15個以上:エゴ強すぎタイプ(自己中心的/支配的)
自分の意見を絶対に通したい傾向が強く、他人の意見を聞くのが苦手。リーダーシップはあるが、周囲との衝突が起こりやすい。 - 10~14個:エゴ強めタイプ(リーダー気質/自己主張が強い)
自分の意見をしっかり持ち、積極的に発言するタイプ。リーダーとしての素質があるが、時には譲ることも必要。 - 5~9個:バランスタイプ(協調性とエゴのバランスが良い)
自己主張と協調のバランスが取れている。自分の意見を持ちながらも、他人の考えにも耳を向けられるタイプ - 0~4個:エゴ控えめタイプ(他人を優先しすぎる/自己主張が弱め)
自分よりも周りを優先する傾向が強い。争いを避けがちで、自己主張が苦手なことが多い。
「エゴが強い」とは?
「エゴが強い」というのは、簡単に言えば、
- 自分の意見や価値観を強く持っている
- 自分の考えを押し通したい気持ちが強い
- 周囲の意見よりも自分の意思を優先しやすい
という状態です。
エゴが適度にあるのは大事なことですが、「エゴが強すぎる」と、人間関係で摩擦が起きやすくなります。逆にエゴが弱すぎると、他人に振り回されやすくなります。
エゴが強い人の特徴
自分の意見を絶対に曲げたくない
「自分が正しい」という信念が強く、意見を変えたり、妥協したりすることが苦手。議論で負けるのが嫌いで、ついつい言い返してしまうことも。
承認欲求が強い
「自分を認めてほしい」「すごいと思われたい」という気持ちが強い。SNSでも自分の意見を積極的に発信しがち。
他人の意見を受け入れにくい
他人からアドバイスを受けても、「いや、自分のやり方のほうがいい」と思うことが多い。新しい価値観を受け入れるのが苦手な傾向がある。
プライドが高い
「間違いを認めたくない」「負けたくない」という思いが強い。失敗を指摘されると、強く反発することもある。
競争意識が強い
「勝ち負け」にこだわる傾向がある。人と比べて優位に立ちたいと思うことが多く、負けず嫌い。
自己主張が強い
グループ内でもリーダーシップを取りたがるタイプ。会議や話し合いの場では、自分の意見をしっかり伝えようとする。
人間関係のトラブルが起こりやすい
自分の考えを押し通そうとするため、意見の違う人とぶつかりやすい。協調性が求められる場面では、摩擦が生じることも。
なぜエゴが強くなってしまうの?
エゴが強い人の心理にはどのようなものがあるのでしょうか?
自己防衛のため
自分の考えや価値観を貫くことで、自分のアイデンティティ(自分らしさ)を守ろうとしているとエゴが強くなりがち。変化を受け入れるのが怖いこともあります。
過去の成功体験
「自分のやり方で成功した経験」が多いと、自分の考えが正しいと確信しやすくなります。結果、他人の意見を受け入れにくくなることがあります。
自信の裏返し
エゴが強い人は、自信があるように見えるが、実は「自分が間違っているかもしれない」という不安を隠している場合があります。
エゴが強いことのメリットとデメリット
メリット
- 自分の意見をはっきり言えるので、リーダーシップを発揮できる
- 「自分は正しい」という信念があるため、行動に迷いがない
- 自分の意思を貫けるので、夢や目標を叶えやすい
デメリット
- 相手の意見を軽視すると、対立を生みやすい
- 間違いを認めづらく、成長のチャンスを逃すことも
- 協調性が求められる場面では、周囲の人と衝突しやすい
エゴが強い人との付き合い方7選

エゴが強い人は自己主張が激しく、負けず嫌いで、自分の意見を曲げにくいタイプです。リーダーシップがある一方で、付き合い方を間違えると、衝突やストレスの原因になりやすくなります。ではそんなエゴが強い人とうまく付き合うにはどうすればよいのでしょうか?適切な距離感を保つ・ストレスを減らすための具体的な対処法を解説します。
1.エゴが強い人の特徴を理解する
エゴが強い人は「わざと偉そうにしている」「性格が悪い」というわけではなく、無意識のうちに自分を守るためにそうしていることが多いです。
先ほど紹介したエゴが強い人の心理を簡単にまとめると、
- 自信の裏返し:実は「自分が間違っているかもしれない」という不安を隠していることもある
- 負けず嫌い:勝ち負けにこだわり、自分の意見を通したい
- 自分のやり方へのこだわり:「これが正しい」と思い込んでいる
この心理を理解すると、この人はただ自分を守ろうとしているだけかもと思えてイライラが減ります。
2.直接対決は避ける(ムキにならない)
エゴが強い人は、対立するとさらに意地になる傾向があります。真っ向から意見をぶつけると、論破しようとしてきたり、ますます頑固になることも。
✕NG例:「あなた間違ってるよ」「なんでそんな自分勝手なの」
〇OK例:「そういう考えもあるね」「なるほど、面白い意見だね」
このように相手を真正面から否定せず、あえて流すことで、衝突を避けられます。
3.相手のプライドを傷つけないようにする
エゴが強い人はプライドが高いため、強い言い方をされるとすぐに防衛反応を起こします。逆に、「あなたの意見を尊重している」と伝えると、意外と折れることもあります。
✕NG例:「そんな考え方、おかしいよ」
〇OK例:「その考え方もいいね。こういう方法もあると思うけどどう?」
相手を立てながら、自分の意見もやんわり伝えると、受け入れてもらいやすくなります。
4.受け流すスキルを身に着ける(全部まともに受けない)
エゴが強い人は、ついマウントを取ったり、自慢話をすることがあります。まともに受け止めると疲れるので、うまくスルーするのがコツです。
✕NG例:「それって本当?でも〇〇さんはこういってたよ」→反論すると相手がさらにヒートアップする
〇OK例:「すごいね!」「なるほどね」→程よく受け流す
適当に受け流したり、相手を立てつつ話を変えるスキルがあると、無駄なストレスを減らせます。
5.距離感をうまくとる(深入りしない)
エゴが強い人は、基本的に「自分が中心でいたい」タイプ。こちらが合わせすぎると疲れてしまうので、適度な距離感を取るのがベストです。
「この人と仲良くしなきゃ…」と無理に合わせるのではなく、「この人はこういうタイプだから」と適度な距離を取りましょう。
深入りしすぎず、「そういう人だ」と割り切ることで、気持ちが楽になります。
6.どうしても合わない場合は「距離を置く」
エゴが強すぎて、自分を押し付けてくる人とは、無理に付き合う必要はありません。
- 関わる時間を減らして、物理的な距離を取る
- 「この人はこういう人」と割り切って心理的な距離を取る
- 必要最低限の会話にとどめる
などの対策をとりましょう。エゴが強すぎる人に振り回されると、自分が疲れてしまうので、無理して合わせるのはやめましょう。
7.「この人はエゴが強いタイプなんだ」と割り切る
エゴが強い人にイライラしないための最強の考え方は、「この人はこういう性格なんだ」と割り切ることです。
- エゴが強い人は変わらない
- 変えようとせず、付き合い方を工夫する
こう考えるだけで、無駄なストレスを減らすことができます。
エゴをコントロールしながら、自分らしく生きるコツを7つ紹介!
エゴが強いこと自体は悪いことではありませんが、強すぎると対人関係で摩擦が起きやすかったり、逆にエゴがなさすぎると自分を押し殺してしまうことになります。
大切なのは「適切なエゴ」を持ちつつ、周りとうまくやっていくことです。
1.エゴが暴走しやすい瞬間を知る
まず、自分のエゴが強くでる「危険なタイミング」を知ることが大切です。
- 議論や口論になったとき:つい自分の正しさを証明しようとする
- 誰かに批判されたとき:反論したくなる
- 負けたくないと感じたとき:競争心が強くなる
- 他人と比較してしまったとき:優位に立ちたくなる
エゴが暴走するのは、「自分が傷つきたくない」「負けたくない」という防衛本能が働くためです。まずは、「今、自分のエゴが出そうだな」と気づくことがコントロールの第一歩です。
2.「本当にエゴを出すべき場所か?」を考える
エゴを抑えるには、「ここでエゴを出す必要があるのか?」と考える習慣をつけることが大切です。
- 仕事での交渉:自分の意見を主張しないと損をする
- モラルや正義に関わる場面:悪いことを見過ごしたくない
- 自分の夢や目標を貫くとき:人の意見に流されすぎない
- 単なる意地の張り合い:勝ち負けにこだわるだけの議論
- 人間関係を壊しかねない場面:相手の気持ちを無視してしまう
- 感情的になっているとき:冷静になれば不要なこだわりだと気づく
「これは本当に譲れないことなのか?それともただ意地を張っているだけなのか?」と考えるだけでエゴの暴走を防ぐことができます。
3.「他人の視点」を持つ(メタ認知を鍛える)
エゴが強い人は、自分の意見にこだわるあまり、「他人の視点」を忘れがちになります。そこで大事なのが、メタ認知(自分を客観視する力)を鍛えることです。
- 「もし自分が相手の立場だったら?」と考える
相手の視点で見てみると、「あ、ここは折れた方がいいかも」と冷静になれる - 「今の自分を他人が見たらどう思う?」と考える
客観的に自分を振り返ることで、エゴの強さに気付きやすくなる - 紙に書いて整理する
「自分の主張」と「相手の主張」を書き出してみると、どこが譲れるポイントかが分かる
メタ認知の鍛え方はこちらの記事で詳しく紹介しています
4.「負けるが勝ち」の考え方を持つ
エゴが強い人は、「負けたくない」という気持ちが強いです。でも実は、負けた方が得をする場面の多いのです。
- 他人の意見を一度受け入れると、相手が味方になりやすい
人間関係では「勝ち負け」より「信頼」の方が大事。相手の話を受け入れると、結果的に自分の意見も聞いてもらいやすくなる - あえて譲ることで、主導権を握れることもある
全ての場面で「正しさを証明しよう」としなくても、相手の花を持たせることで、あとで自分の意見を通しやすくなる
「すべての戦いに勝とうとしなくていい」と思えるだけで、心が楽になります。
5.競争ではなく、協力に意識を向ける
エゴが強いと、つい「人と競争しよう」としてしまいます。でも、本当に大切なのは競争ではなく、「協力」です。
- 「この人と対立するんじゃなくて、一緒にうまくやるには?」と考える
競争ではなく、「どうやったらお互いにとってプラスになるか?」を意識すると、エゴを抑えやすい - 「自分が勝つ」より「全体がうまくいく」ことを考える
「どちらが正しいか」ではなく、「どっちがより良い結果を生むか」を考えると、冷静になれる
6.「間違いを認める勇気」を持つ
エゴが強い人ほど、自分の間違いを認めるのが苦手です。でも、間違いを認められる人の方が、結果的に成長しやすくなります。
- 小さな間違いから認めてみる
いきなり全部認めるのは難しいので、「あ、この部分は自分が間違っていたね」という練習をする - 間違いを認めると「かっこいい」と考える
間違いを認められる人は、周りからの信頼が厚い。「大人としてかっこいい」と思うと、素直になりやすい
7.自分の価値を他人の評価で決めない
エゴが強くなりすぎる理由の一つは、「他人にどう思われるか」が気になりすぎることです。逆にエゴを抑えすぎると、他人の評価ばかり気にしてしまうことになります。そのため、
- 「他人の評価=自分の価値」ではないと理解する
- 「他人に認められなくても、自分が納得できればOK」と考える
を意識しましょう。
✕「自分の意見を押し通さないと負けだ」→不要なエゴの暴走
✕「本当は違う意見だけどみんなと合わせよう」→エゴを控えすぎ
〇「この場では意見を抑えるほうが賢い」→エゴを適切にコントロール出来ている
自分の価値は、他人の評価ではなく、自分の納得感で決まると考えると、エゴの使い方が柔軟になります。

まとめ
エゴが強いのは決して悪いことではなく、大切なのはエゴを適切にコントロールし、自己主張と協調のバランスを取ることです。エゴをコントロールできるようになれば、自分らしさを保ったまま、良い人間関係が築けるようになります。

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今回も人と関わっていくうえで避けることはできない人間関係の悩みを減らすための手助けになる情報をまとめました。他の記事もありますので、あなたが今よりより生きやすくなる手助けになれば嬉しいです!X(Twitter)でお悩みの募集もしています。