「フェルミ推定」とは、限られた情報から、論理的な推理を使って、数をざっくり推測する方法です。この思考法を使うと、感情に流されず、相手の行動や気持ちを分析できるため、人間関係の負担を減らし、ちょうどいい距離感を見極めることができるようになります。そんなフェルミ推定の練習法と、日常生活でどんなメリットがあるのかをまとめました!

miho
この記事は次のような人におすすめです!
- フェルミ推定ってなに?
- 論理的思考力を身に着けたい
- 問題解決能力を上げたい
- 相手がどんな気持ちなのかを予測できるようになりたい
- 上手に気遣いが出来るようになりたい
- フェルミ推定がいつでも使えるようになりたい
職場や学校、友達同士など、この社会の中で生きている限り、人との関わりは必要不可欠ですよね。それゆえにどんな人でも、大なり小なり人間関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。国内の発行部数が300万部を超える「嫌われる勇気」でも「すべての悩みは対人関係の悩みである」というアドラーの教えが出てきます。ここではそんな人間関係の悩みに関する情報をまとめています。より生きやすくなる手助けができれば嬉しいです!
「フェルミ推定とは?」基本的な3つのステップ

フェルミ推定とは、「限られた情報から、論理的な推論を使って財産する思考法」です。イタリア出身の物理学者エンリコ・フェルミがデータがない状態でも合理的な数値を導き出す方法として提案しました。例えば、「日本にピアノ調律しは何人いる?」という問いに対して、公式なデータを調べずに、大まかな数値を推測する方法のことです。
ステップ1:問題を細かく分類する
ざっくりとした問いを考えやすい要素に分けます。
ステップ2:それぞれの要素を概算する
一般的な知識や常識をつかって、おおよその数値を決める。
ステップ3:すべてを掛け合わせて答えを出す
概算した数値を組み合わせて、最終的な答えを出す
例:「日本にピアノ調律師は何人いる?」を考える
- 日本の人口は約1億2000万人
- どのくらいの割合の家庭にピアノがある?
「10世帯に1台くらいかな?」 - ピアノはどれくらいの頻度で調律でされる?
「年に1回くらいかな?」 - 1人の調律師が1日に何件回れるか?
「1日3件くらいかな?」「休日があるから回れるのは年間250日くらいかな?」
これらを計算すると、約6667人と予測できる
実際のデータによると、日本のピアノ調律師は約1万人と推定されているため、比較的近い数値となる。
人間関係で活用すると?
例:「あの人がLINEを既読無視する確率は?」
- 一日のスマホの利用時間は平均3時間くらい
- LINEの返信にかかる時間を1分とする
- 1日に30回返信する人なら、LINEに約30分の時間を割いているから、すぐに返信しやすい
- 1日に5回しか返信しない人なら、LINEの優先順位は低いため、返信が後回しになりやすい
フェルミ推定を使うと「既読無視=嫌われた」ではなく、単に返信ペースの問題かも!と冷静に判断することができます。
フェルミ推定のメリット(ビジネス・日常生活)5選
1.ロジカルシンキングの強化
フェルミ推定は「限られた情報から合理的な推測を導く」訓練になります。
例えば、仕事で市場規模をざっくり把握したいとき、すぐに計算できる力が身につきます。
「新しいカフェを開くなら、1日にどれくらいの客が来るか?」
近くの人口、通行量、他のカフェの混み具合から推測できる
2.データがないときに素早く判断できる
フェルミ推定は、完璧なデータがない時に「妥当な結論」を導き出すのに役立ちます。企業の売り上げやユーザー数の概算、プレゼンでの説得力を高めるのに活用できます。
「日本全国で毎日どれくらいの人が電車に乗っている?」
日本の人口、都市部の割合、1日の移動回数を元に推測する
3.問題解決力が向上する
フェルミ推定は、大きな問題を小さく分解し、シンプルな数式で考える習慣をつけるのに最適です。これは仕事だけではなく、日常の判断にも応用できます。
「家の電気代を抑えるにはどこを改善すべきか?」
各家電の使用時間と消費電力を概算し、どこを減らすのが効率的か考える
4.面接や試験で有利になる
コンサル、IT、メーカーの採用試験ではフェルミ推定がよく出題されます。数値感覚を鍛えておくと、実践的な思考力が評価されます。
「世界で毎日何枚のピザが売れている?」
国ごとの人口、ピザを食べる割合、消費頻度を使って推測する
5.アイデア発想や戦略立案に活用
新規事業の市場規模をざっくり算出するのに使えます。どれくらい売り上げが見込めるか、どんな戦略が必要かを短時間で考えられます。
「日本で新しいサブスクサービスを始めるとして、何人のユーザーを見込めるか?」
インターネット利用者数、類似サービスの市場規模をもとに概算する

このようにフェルミ推定を鍛えると、
- 直感に頼らず論理的に考えられる
- 「なんとなく」ではなく、数字で説明できる
- 素早く合理的な判断ができる
仕事やプライベートでも「データなしで考えられる力」がつくので、色々な場面で活かすことができます!
フェルミ推定を人間関係に役立てよう!具体例5選

1.相手の気持ちや行動を数値で考える
感情的になりがちな場面でも、フェルミ推定を使うと冷静に考えられます。
①「なぜ返信が遅いのか?」
1日の平均スマホ使用時間、LINEの返信ペース、仕事の忙しさなどを考えると、相手の返信できない理由が見えてくる
②「相手が誘いを断る確率は?」
休みの日、過去の誘いへの反応、趣味の優先度を考えると、脈あり・なしが予測できる
2.嫌われたかどうかを冷静に判断する
人間関係のトラブルで「嫌われた?」と不安になることがありますが、感情ではなくデータ的に考えると、思い込みだったと気づけることもあります。
「最近冷たいけど、嫌われた?」
過去1か月のメッセージ頻度、相手の忙しさ、他の人への態度を分析すると「単に忙しいだけ」という可能性が見えてくる
3.相手の負担を減らすための計算
フェルミ推定を使うと、無意識に相手へ負担をかけていないか考えやすくなります。
「LINEでのやりとり、負担になっていない?」
1日のLINE総数、相手の返信ペース、未読時間をみれば、「負担になっているかどうか」が数値的に推測できる
4.気遣いを最適化する
「どこまで気を遣うべきか?」の判断も数値で考えると、無理なくバランスを取ることができます。
「職場の人全員にお土産を買うべき?」
職場の人数、過去のお土産文化、周囲がどれくらい気を遣っているかを考えると、「買うべきかどうか」が見えてくる
5.「この人と親しくなれるか?」の見極め
相手と仲良くなれる可能性も、データ的に分析できます。
「新しい知り合いと仲良くなれる確率は?」
共通の趣味の数、会話の頻度、相手の交友関係の広さなどをもとに推測すると、距離の縮まりやすさが分かる
日常生活でフェルミ推定が使えるようになるトレーニング法
1.身近なものをフェルミ推定するクセをつける
普段の生活で「この数ってどれくらい?」と考えるクセをつけると、自然と推論力が鍛えられます。
「日本で毎日飲まれるコーヒーの数は?」
「東京の電車に乗る人は何人?」
「1日に配達されるAmazonの荷物の数は?」
このように、自分なりに仮説をたてて計算してみましょう。
2.分解して考える練習をする
フェルミ推定は「大きな問題を小さく分解」するのが重要。問題をいきなり解こうとせず、ステップに分けて考えるクセをつけましょう。
「日本に美容院はいくつある?」
- 人口をざっくり把握(1億2000万人)
- 美容院に行く頻度を考える(1人あたり年に10回)
- 1つの美容院の1日の来客数を仮定(10人/日)
- 必要な美容院の数を計算(人口÷1店舗の年間対応人数)
こうやって要素に分解すると、どんな問題でも考えやすくなります。
3.既存データと比較して精度を上げる
自分の推定値が、実際のデータとどのくらいズレているのか確認すると、精度がどんどん上がります。
「日本にコンビニは何軒ある?」
- 自分でフェルミ推定する
- 実際のデータを検索する(約5.5万軒)
- どこがずれていたのか分析する
何度も試すうちに「このくらいの感覚で考えれば正しい」という数値感覚が身についてきます。
4.フェルミ推定の問題集を解いてみる
フェルミ推定は、コンサルの面接などでよく出題されるため、問題集を使って練習するのも効果的です。
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5.人間関係でもフェルミ推定を使ってみる
フェルミ推定は、データだけでなく「人間関係を冷静に考える」場面でも使えます。
「この人と仲良くなれる確率は?」
- 共通の趣味がある確率(たとえば30%)
- 会話する頻度(週1なら仲良くなりやすい)
- 相手の性格(社交的or内向的)
「感覚で考える」のではなく、「数値で考える」と冷静な判断が出来ます。
まとめ
ビジネスで役立つ「フェルミ推定」は、鍛えることで論理的で合理的に判断をすることができます。「あの人と仲良くなりたい」「どんな風に接したらいいんだろう」など、相手の考えや行動を予測する際でも役に立つのでぜひ活用してみてください!

miho
今回も人と関わっていくうえで避けることはできない人間関係の悩みを減らすための手助けになる情報をまとめました。他の記事もありますので、あなたが今よりより生きやすくなる手助けになれば嬉しいです!X(Twitter)でお悩みの募集もしています。