SNSの投稿やテレビのニュース、友達のうわさ話など、私たちの身の回りにはたくさんの情報が溢れています。しかし、これらの情報の中には偏った意見や間違った情報が紛れていることも。感情に流されず、論理的・客観的に物事を判断する「クリティカル・シンキング」を鍛えると、ただ情報を鵜呑みにせず、合理的な判断を下せるようになります。今回はそんな「クリティカル・シンキング」の鍛え方やメリットについてまとめました。

miho
この記事は次のような人におすすめです!
- クリティカル・シンキングってなに?
- 倫理的に考えられるようになりたい
- 情報に流されず、正しい判断が出来るようになりたい
- 議論の際に自分の意見に説得力を持たせたい
職場や学校、友達同士など、この社会の中で生きている限り、人との関わりは必要不可欠ですよね。それゆえにどんな人でも、大なり小なり人間関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。国内の発行部数が300万部を超える「嫌われる勇気」でも「すべての悩みは対人関係の悩みである」というアドラーの教えが出てきます。ここではそんな人間関係の悩みに関する情報をまとめています。より生きやすくなる手助けができれば嬉しいです!
「クリティカル・シンキング」について分かりやすく解説!

クリティカル・シンキング(批判的思考)とは、「本当にそうなの?」と考える力のことです。世の中にはたくさんの情報が溢れていますが、それらを鵜呑みにせず、根拠を確かめて、冷静に判断するために必要な思考法です。
- テレビのニュースで「〇〇は体にいい!」と言っていた場合
本当に?どんな研究があるのかな?誰が言っているのかな? - SNSで「この方法を実践すれば絶対に成功します!」という投稿を見た場合
絶対って本当?データや根拠は?他の方法はないの? - 友達の噂話で「あの人って〇〇らしいよ!」と聞いた場合
それって事実?証拠はある?誰が言っているの?

このように、情報をただ受け取るのでははく、「なぜ?」「本当に?」と考えることが、クリティカル・シンキングの基本です。
クリティカル・シンキングができないとどうなる…?
デマやフェイクニュースに騙されやすくなる
情報を鵜呑みにしてしまい、嘘や誤情報に振り回されることがあります。例えば、SNSで「〇〇を食べると病気が治る!」と話題になっていたら、根拠を確かめず信じてしまうかもしれません。結果として間違った健康法に頼ってしまうことも。
詐欺や悪質商法に引っ掛かりやすい
「この投資で必ず儲かる」「絶対に成功する方法」といった謳い文句をそのまま信じてしまい、詐欺に遭う可能性が高まります。「本当にそんなうまい話があるのか?」と考える力がないと、冷静な判断ができません。
感情に流されて間違った判断をする
例えば、友達が「Aさんってひどい人らしいよ」と言っていたら、確かめもせずにAさんは悪い人だと思い込むことがあります。本当は誤解かもしれないのに、感情的に判断してしまうのです。
一方的な考えに固執する
クリティカル・シンキングが弱いと、「自分が正しい」と思い込んでしまいがちです。例えば、「この人が言っていることは絶対に正しい!」と信じ込んでしまい、反対意見を聞くことすら拒否してしまうことも。違う視点から考えることができないため、偏った考えに陥ります。
効率の悪い仕事をしてしまう
職場で「このやり方が昔からのルールだから」と言われると、「本当にこの方法が最適?」と考えずに非効率なまま続けてしまうことがあります。
すぐに他人の意見に流される
人の意見をそのまま信じてしまい、自分の意見を持てなくなってしまこともあります。例えば、「この商品が一番いいよ!」と言っていたら、自分で比較せずに買ってしまうなど。他人の言葉に流されやすくなると、自分の考えで行動できなくなります。
クリティカル・シンキングを鍛えるメリット9選
1.デマや詐欺に引っ掛かりにくい
世の中には、フェイクニュースや誇張された情報が溢れています。でも、クリティカル・シンキングが高い人は、「本当に?」と考える習慣があるので、すぐには信じません。「この情報の根拠は?」「誰が発信しているの?」と考え、詐欺や怪しい話を見抜くことができます。
2.物事を多角的に考えられる
クリティカル・シンキングがあると、一つの意見だけではなく、違う視点からも考えられるようになります。例えば、「この政策は賛成!」と思ったときに、「反対意見にはどんな理由がある?」と考える習慣がつきます。偏った情報に流されにくく、バランスの取れた意見が持てます。
3.問題解決力が上がる
「なぜこうなったのか?」「どうすれば解決できるのか?」と考える力がつくため、論理的に問題を分析し、解決策を考えられるようになります。例えば、仕事でトラブルが起きた時も、「とりあえずこうしよう」ではなく、「これが最善か?」と考えるクセがつきます。
4.感情に流されず冷静に判断できる
感情的にならず、事実や根拠をもとに考える力がつくので、人間関係や仕事でも落ち着いた判断ができるようになります。例えば、SNSで炎上している話題を見ても、すぐに反応せず、「本当に事実なのか?」「どの視点から見ればいいのか?」と考えられます。
5.論理的に話せる&説得力が上がる
クリティカル・シンキングが強いと、根拠をもとに話せるので、相手を納得させやすくなります。「なぜそう思うの?」と聞かれたときに、「こういうデータがあるから」「こういう理由があるから」と根拠を示して話せます。
6.仕事の効率がアップする
「これって本当に必要な仕事?」と考えられるので、無駄な作業を減らせます。上司の指示も、「何故この方法なのか?」と考えることで改善することができます。
7.人間関係がスムーズになる
クリティカル・シンキングは、人間関係でも大きなメリットがあります。議論や話し合いの場で、感情的にならずに冷静に意見を伝えられたり、「相手の話のどこに矛盾があるのか?」が分かるので、詭弁に流されにくくなります。
8.自分の思考のクセやバイアスに気付ける
人間は誰しもバイアス(思い込み)を持っています。クリティカル・シンキングがあると、「自分はこの意見に偏りすぎていないか?」と振り返ることができます。また、「他の視点を考えたら、違う結論になるかもしれない」と思考の幅が広がります。
9.どんな情報でも鵜呑みにせず、自分で考えられる
「権威がある人が言っているから正しい」という思考をしなくなります。「この情報のソースはどこ?」「データの信頼性は?」と考える習慣がつきます。

クリティカル・シンキング力が高い人は、「情報を見極める力」「論理的に考える力」「柔軟に対応する力」が備わっているため、仕事でもプライベートでも有利になります。より賢く、合理的に、そしてストレスを少なく生きていくことができます!
クリティカル・シンキングの鍛え方を10個紹介!

1.「なぜ?」を繰り返す(5回のなぜ)
例:スマホを長時間使ってしまう理由を考える
- なぜスマホを長時間使ってしまうのか?
→ついSNSを見てしまうから - なぜSNSを見てしまうのか?
→暇な時間があるから - なぜ暇な時間があるのか?
→やるべきことを決めていないから - なぜやるべきことを決めていないのか?
→計画を立てる習慣がないから - なぜ計画を立てる習慣がないのか?
→タスク管理の方法を知らないから
こうして深掘りすると、表面的な理由ではなく、本質的な原因に気付くことができます。
2.物事を多角的に考えるクセをつける
- 反対の立場で考えてみる
例えば、「テレワークはいいことだ!」と思ったら、「テレワークのデメリットは?」と逆の視点で考える。 - 「もし〇〇だったら?」と仮定する
「もし自分が100年後に生まれていたら?」など、別の状況を考えることで柔軟な思考力がつく。 - 違う立場の人の意見を考える
ニュースや議論の際、「この人の主張の根拠は?」「なぜこう考えるのか?」と意識すると、多面的に考えられるようになる。
3.バイアスをチェックする
人間の思考には、無意識の偏り(バイアス)があります。
- 確証バイアス
自分の考えにあう情報ばかり探してしまう - アンカリング効果
最初に見た情報に影響されすぎる - 感情バイアス
好きな人の意見だから正しいと思ってしまう
その他のバイアスについてはこちらの記事でまとめています。
「自分の考えはバイアスに影響されていないか?」と常にチェックするクセをつけると、冷静な判断が出来るようになります。
4.「事実」と「意見」を分けて考える
「この情報は事実なのか、それとも誰かの意見なのか?」を整理しましょう。ニュースやSNSを見た時に、「これは本当にデータで証明されているのか?」と考える習慣を付けましょう。
例:SNSで「この商品は絶対に体にいい!」という投稿を見た場合→「それは事実なのか?」「どんなデータがあるのか?」と考えてみる
5.フェルミ推定をしてみる(論理的に推測する練習)
「大まかな数値を論理的に推測する」練習をすることで、考える力が身につきます。
例:日本のコンビニは何個ある?
- 日本の人口は約1億2000万人
- 1つのコンビニがどれくらいの人口をカバーしているか予測する(2000人に1店舗くらいかな?)
- 全体の店舗数を計算する
(1億2000万人÷2000人|店舗=約6万店舗かな?)
実際のコンビニ数は約5万5000店舗なので、かなり近い答えだ!
というように、実際のデータに近い数字が出せるように練習することで、論理的思考力が鍛えられます。
6.質問力を高める(ソクラテス式問答法)
会話の中で、「なぜ?」「どうして?」と問い続けることで、思考を深めることができます。
例:友達が「この映画がすごく面白かった!」と言った時
- 「どんなところが面白かったの?」
- 「他の映画と比べてどこが違う?」
- 「逆に、どんな人には向かないと思う?」
このような質問をすることで、相手の意見を深掘りでき、自分の思考力も鍛えることができます。
7.ロジカル・シンキングを活用する(論理的に整理する)
「結論→理由→具体例」の順で考えると、話が論理的になります。
例:読書をするメリットを考える
- 結論:「読書は約に立つ」
- 理由:「知識が増える」「文章力がつく」「想像力が広がる」
- 具体例:「歴史の本を読んで過去の出来事が学べる」
このように整理するクセをつけると、論理的思考力が鍛えられます。
8.書いて整理する(ジャーナリング)
思考を整理するために、考えたことをノートやメモに書く習慣をつけましょう。
- 朝起きてすぐに、思いついたことをそのまま書いていくことで、頭の中を整理する
- テーマを決め、賛成・反対の両方の視点で考えてみる
書くことで頭が整理され、クリティカル・シンキングの制度が上がります。
9.ディスカッションやディベートをする
他人と議論することで、自分の考えの弱点や論理の飛躍に気付くことができます。
- 賛成・反対の両方の立場に立って意見を述べる練習をする
- 議論の際に、「それってどんな根拠がある?」と考える癖をつける
最近では、AIと議論することができるアプリもあります。空いた時間にディベートの練習をすることができるのでおすすめです。

10.「情報の出どころ」を確認するクセをつける
- 「誰が発信しているのか?」
- 「その人や組織にどんな意図があるのか?」
- 「他の情報源で破どう言われているのか?」
例えば、ニュースを見たとき、「この情報は政府の発表?それとも個人の意見?」と考えるだけでも、クリティカル・シンキングが鍛えられます。
まとめ
クリティカル・シンキングを身につけるためには、日々の積み重ねが大切です。「本当に?」「なぜ?」と考える習慣をつけることで、どんな情報にも流されない、論理的で柔軟な思考が出来るようになります。

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今回も人と関わっていくうえで避けることはできない人間関係の悩みを減らすための手助けになる情報をまとめました。他の記事もありますので、あなたが今よりより生きやすくなる手助けになれば嬉しいです!X(Twitter)でお悩みの募集もしています。