特別な日にみんなで分け合う予定だったケーキ。気づけばお父さんが最後の一つまで食べてしまった…。最近相談が増加していることで話題となった「食いつくし系」という現象。なぜそんなことをするの?と不思議に感じますが、そこには単なる食いしん坊とは違う心理や背景が隠されています。今回はそんな「食いつくし系」の特徴や原因、対処法について詳しくまとめました。

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この記事は次のような人におすすめです!
- 最近話題になっている「食いつくし系」とはどのようなものなのか知りたい。
- 「食いつくし系」の行動が原因で起こるトラブルを知りたい。
- 「食いつくし系」の人が何故そのような行動をとってしまうのか詳しく知りたい。
- 「食いつくし系」の人の行動で困っている。
職場や学校、友達同士など、この社会の中で生きている限り、人との関わりは必要不可欠ですよね。それゆえにどんな人でも、大なり小なり人間関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。国内の発行部数が300万部を超える「嫌われる勇気」でも「すべての悩みは対人関係の悩みである」というアドラーの教えが出てきます。ここではそんな人間関係の悩みに関する情報をまとめています。より生きやすくなる手助けができれば嬉しいです!
「食いつくし系」とは?実際にあった驚きの例

他人と食べ物を共有する場面で起こる「食いつくし系」とは
「食いつくし系」とは、他人と食べ物を共有する場面で、自分の欲求を優先して食べ物を独占したり、他人の分まで気にせず食べつくしてしまう人を指す言葉です。この行動は単なる「食べる量が多い」や「食べることが好き」という次元を超え、周囲への配慮や共感が欠如していると感じさせると特徴があります。
特徴的な行動
- 共有の場でルールを無視して多く食べる
- 他人の分や取り分を考えず、結果的に「食べ尽くしてしまう」
- 食事の場において他人の不快感を察しない、または意図的に無視する
- 注意されると逆ギレする
- 本人は無自覚で「残すのがもったいない」「おいしいから仕方がない」と正当化する場合も
実際にあった具体例
①人数分用意してあったケーキを独り占めする父親
ある日、6人家族のために6個のケーキが用意されました。しかし、家族全員が揃うまで冷蔵庫に入れてあったはずのケーキがなくなっていました。父親がすべて食べてしまっていたのです。

お母さん
あれ、ここにあったケーキ、全部食べちゃったの?

お父さん
え?自分のものだと思って全部食べちゃったんだ。

長女
1人1個って言わなくても分かるはずなのに…。残念だし、あきれたよ。
家族は父親の行動に驚きと失望を感じましたが、注意すると逆切れされることに恐れ、何も言うことができませんでした。
②夕飯のおかずを独り占めする父親

お母さん
今日の夕飯はみんなの好きな唐揚げを作ったよ!お皿にある分をみんなで分けてね。

長男
わーい!唐揚げ大好き!手を洗ってくるね!

お父さん
あ、これビールのつまみにぴったりだな。うん、おいしい!

長男
しっかりと手を洗ったし食べよう…あれ?唐揚げがない!

お母さん
え!ひとりで食べちゃったの?!みんなの分なのに…

お父さん
いいだろ、こんなの作り足せば済む話だろ。俺だって仕事で疲れてるんだ。

お母さん
もう材料もないよ。(はぁ…これだから食事の準備をするのが嫌になるわ。)
③職場での差し入れ

Aさん
休憩室にお菓子置いておいたからみんな食べてね~!

Bさん
お!俺の好きなお菓子だ!おいしい~もう一つ、あともう一つ…!

Cさん
え!全部食べたの…?他の人もみんなまだ食べてないよ…。

Bさん
だって残ってたらもったいないじゃん。どうせみんな食べないでしょ?

Cさん
いやいや、私たちまだ手も付けてないよ…。
「食いつくし系」が引き起こす人間関係のトラブルとその影響
家庭内のトラブル
家族の食事で、「自分の分まで取られた」と感じることで不満が溜まります。
- 家族間の不信感やイライラが増える
- 「一緒に食事をしたくない」と思われるようになる
職場でのトラブル
差し入れや共有のお菓子を独占することで、職場の雰囲気が悪化に繋がります。
- 同僚から信頼を失い、「自己中心的」と思われる
- チーム内での孤立や陰口の原因になる
友人関係のトラブル
シェアが必要な場で食べつくす行動が、友人の不快感を招きます。
- 「一緒にご飯を食べたくない」と誘われなくなる
- 友人関係が疎遠になる
食事の場自体が楽しくなくなる
楽しいはずの食事が険悪な空気になってしまいます。みんなで食べる予定だったものがなくなると場の雰囲気が悪くなります。食べている時の会話の機会も失ってしまいます。
- その場いいた全員が気まずくなり、楽しさが半減する
- 次回の食事の機会が減る
「食いつくし系」の心理と原因

幼少期の家庭環境やストレスが原因の場合も
幼少期の家庭環境
早い者勝ちの習慣
幼少期に「食べたいものは早く取らないとなくなる」という経験があると、大人になってもその習慣が抜けないことがあります。兄弟の多い家庭や、親が十分に食事を与えなかった場合に見られることが多いです。
例:兄弟と競争しながら食べ物を奪い合った経験。
好きなだけ食べてよい環境
反対に、両親が「子どもが満足することが一番」と考え、食卓で一番美味しいものや量を子供に優先して与える環境が続くと、「食べ物は自分が最優先されるもの」という認識が持ちやすくなります。結果として他人と共有する意識が育たず、「好きなだけ食べてもいい」という行動が大人になっても無意識に続きます。
例:「好きなだけ食べていいよ」と、自分が食べたいものを優先してくれる経験。
過去の食事に関するトラウマ
十分に食べれなかった経験
貧しい環境で育ったり、常に「足りない」という不安を抱えていたりすると、食べ物に対する執着が強くなることがあります。
例:子どものころ、食事を我慢しなければならなかった記憶。
ストレスや不安
食べることで安心感を得る
日常的なストレスや不安が強い人は、食べ物を通じて心を満たそうとします。特に共有の場では「目の前にあるものを全部食べる」ことで、短期的な満足感を得ようとする傾向があります。
例:仕事のストレスを抱え、「自分だけの楽しみ」として食べ物を独占する
共感力や想像力の欠如
他人の立場を考えられない
他人がどう感じるかに気付く力が弱いため、自然と自分中心の行動を取ります。また、他人の分を奪っているという認識がないこともあります。
例:みんなで食べる場面でも。「他の人もきっと気にしないだろう」と考える。
パーソナリティの影響
自己愛的な傾向
自分の欲求や満足感を最優先する「自己愛性パーソナリティ」の傾向がある場合、他人のことを考えずに行動しがちです。
例:「自分が満足していれば、周りがどう思おうと関係ない。」と考える。
どんなことを考えている?
自己中心的な思考
他人のことを考えない
他人の分や共有のルールよりも、自分の欲求を優先します。「自分が満足すればいい」という意識が強いのが特徴です。
欲望の抑制が苦手
衝動をコントロールできない
食べ物を見ると我慢ができず、周囲への配慮よりも「今すぐ食べたい」という衝動に駆られてしまいます。
無自覚な独占欲
「自分のものだ」と思い込む
周囲の空気を読む力が弱く、共有すべきものを「自分のものだ」と勝手に解釈してしまいます。そのため、指摘されると「何で怒られるの?」と感じることも。
承認欲求の強さ
「注目されたい」という隠れた願望
他人の注意を引きたい、存在感を示したいという欲求が無意識に表れている場合があります。大量に食べることで「自分はここにいる」ということをアピールしている可能性も。
注意されると逆ギレする理由
プライドの防衛
自分の行動を批判されると、「自分が悪い」と認める代わりに、相手に責任を押し付けます。
例:「みんなが食べないのが悪い」「俺が悪いわけじゃない、相手が悪い」
「食いつくし系」の対処法10選
食いつくし系の人と付き合うのはストレスが溜まることもありますが、適切な対処法を知ることで、トラブルを減らすことができます。
①明確なルールを作る
食事の場では、最初に「みんなで分ける」「一人〇個ずつ」などのルールを決めておきます。ルールを共有することで、食べつくしを防ぎやすくなります。
- ケーキの場合:「1人1個ずつね」と事前に伝える
- 鍋料理の場合:「お肉は2枚ずつ」とルール化する
②行動を指摘する
問題のある行動を冷静に、具体的に伝えます。攻撃的にならないように伝えることがポイントです。
✕「何で全部食べちゃうの?!」(感情的)
〇「それ、みんなで分ける予定だったよ。次は残しておいてね。」
③取り分け方式にする
シェアするのではなく、最初から1人分ずつを配る形式にするとトラブルを防げます。自由にとれる環境を避け、共有する際には管理を徹底します。大皿料理ではなく、小皿に取り分けて渡すのがおすすめです。個別に分けられた状態で出すことで、食べ過ぎを抑えることもできます。
- ピザは最初から人数分に取り分けておく
- 鍋の具材も各自のさらに取り分けて配る
- お菓子やケーキを一度に出さず、少量ずつ提供する
- 「これが全員分」と視覚的に分かりやすくする
④食べ物を管理する
冷蔵庫やテーブルにある食べ物に名前や「〇〇の分」とメモを付けておくと、所有権が明確になります。「これはみんなの分」というメモを付けることで、共有のルールを強調することも可能です。
- 家庭の場合:ケーキやお菓子に「〇〇の分」「みんなで分ける」とラベルを貼る
- 職場の場合:お菓子や飲み物に「共有用」や「〇〇専用」のメモを付ける
⑤食いつくし行動の原因を理解する
幼少期の環境やストレスが原因の場合があります。そのため、行動の背景を考えることで本人にあった対処法を見つけることができるかもしれません。
- 幼少期の環境が原因と考えられる場合、本人が認識することで改善される場合も
- 相手が無意識にやっている場合もあるため、責めずに話し合う
⑥対話を重ねる
「みんなで食べる時間を大事にしたい」という気持ちを共有します。相手の気持ちを尊重しつつ、協力を促します。
- 「みんなで分けた方が、もっと楽しくなると思うよ。」
- 「ゆっくり食べながら、今日の出来事を共有しよう。」
⑦期待値を下げる
食いつくし系の行動をすぐに変えるのは難しいため、「この人はこういう人」と割り切ることも必要です。自分のストレスを軽減するために、「期待しすぎない」という選択肢も有効です。
⑧自分の分を確保する
共有の場でも、自分の分を先に確保することで不快感を減らせます。「食べられない」というストレスを防ぐために有効な手段です。
- お弁当形式で自分の分を用意する
- 鍋料理なら自分用の皿に先に取り分けておく
⑨追加分は自分で用意してもらう
食いつくし系の人が自分の欲望に素直であることに考慮し、必要な分を自分で確保する責任を促します。共有する分を明確に決めておき、それ以上食べたい場合は自分で用意・片づけなどをしてもらうと自分のストレスを抑えられます。
- 家庭の場合:夕食で鍋を囲む際、事前に伝えておき、「みんなで分ける分以外に食べたければ自分で買ってきてね」と説明する
- 友達の場合:ピザを頼む際に、「足りなかったら、次の注文は自分で頼んでね」と最初に共有する
⑩繰り返しの教育・注意
食いつくし系の行動は本人が無自覚であることが多いため、何度も繰り返し伝えることが重要です。一度で治らない場合でも繰り返し伝えてみましょう。
食いつくしの対処法は、直接指摘するだけでなく、ルールや環境を工夫してトラブルを防ぐことが大切です。また、相手の背景を理解しつつ、自分自身のストレスを軽減する対策も並行して行うのが効果的です。大切なのは、冷静に対応し、感情的に責めすぎないことです。
まとめ
食いつくし系の問題は、単なる「マナー違反」ではなく、心理背景や育った環境が深くかかわっています。対処する際は、相手を責めるのではなく、お互いにとって気持ちよく食事ができる工夫を考えることが大切です。「みんなで分け合える楽しさ」を大事にしながら、ストレスの少ない食卓を目指しましょう!

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