「自己肯定感」と「自己効力感」この二つの言葉の違いはご存知でしょうか?一見似た言葉のように感じますが、意味が異なります。この違いを理解することで、自分をより深く理解し、大切にすることに繫がります。今回はこの二つの言葉の違いを深く掘り下げ、具体例や実生活での活用方法やバランスが取れていない場合どのようなことが起こるのかをまとめました。

自己肯定感・自己効力感の意味は?

自己肯定感

意味:自分自身の存在や価値をありのままに受け入れ、肯定する感覚。

  • 無条件に自分を承認する:他人の評価や成果に関係なく、自分は「これでいい」と思える感覚。
  • 安定性:外的要因や環境の変化に左右されにくい。
  • 心理的影響:不安や劣等感を軽減し、自分自身に対する安心感を育む。

・友達に比べて仕事の成果が出せなくても、「自分は自分で価値がある」と思える。
・失敗しても、「それでも自分は大切な存在」と肯定的に受け入れる。

自己効力感

意味:自分が目標や課題を達成できる能力を持っているという信念や確信。

  • 行動への自信:「やればできる」という達成感に基づいた自信。
  • 状況依存性:特定のスキルや環境で高まることが多い(勉強、仕事、スポーツなど)
  • 心理的影響:モチベーションを引き出し、新しい挑戦や困難を乗り越える推進力になる。

・新しいプロジェクトに挑戦する際、「これまでの経験から、きっと成功できる」と信じる。
・試験勉強中に「毎日計画通り進めれば、合格できる」と自分の努力を信じる、

違いを比較すると

自己肯定感自己効力感
定義自分の存在そのものを無条件で受け入れる感覚自分が目標や課題を達成できるという確信
焦点存在・価値(Being)能力・行動(Doing)
条件の有無条件に依存しない達成経験や状況に依存
影響範囲自己全体に関わる安定した安心感目標達成や課題解決に向けた行動力を高める
成り立ち育てられ方や自己認識が影響成功体験や目標達成のプロセスが影響

両方をバランスよく育むことが大切

相互補完的な関係

自己肯定感が基盤として存在していると、自己効力感を育むことがよりスムーズになります。

・自己肯定感が低い場合:達成しても「自分は価値がない」と感じてしまう。

・自己効力感が低い場合:「どうせ自分には無理だ」と挑戦する前に諦めてしまう。

バランスを取ることの重要性

自己肯定感が高い人は、失敗しても再挑戦する心の余裕があります。
一方、自己効力感が高い人は、具体的な行動を通じて成功体験を積むことで、自己肯定感をさらに強化することができます。

どちらかが高い・低いとどうなる?

自己肯定感が高くて、自己効力感が低い場合

  • 自分の存在価値を認めており、「そのままの自分で良い」と感じているが、特定のタスクや目標に対する自信が持てない状態。
  • 他人と比較せず心の安定感があるが、行動が消極的になりがち。
具体例
  • 新しい仕事に挑戦するとき
    「私は自分に価値があるとわかっているけれそ、この新しい挑戦は自分には難しいかもしれない。失敗しそうだからやりたくない」
  • 勉強やスポーツのかかわり方
    学校では友達も多く、性格的に好かれているが、「テストでいい成績を取るのは無理」と思い、勉強に積極的になれない。

自己肯定感が低くて、自己効力感が高い場合

  • 自分の存在や価値に自信がなく、「自分はダメな人間だ」と感じているが、特定のスキルや能力には自信がある状態。
  • 過剰に成果を求め、自分を認めなれない傾向がある。
具体例
  • 仕事でのプレッシャー
    「私は何をやっても価値がないけど、業務成績をあげる才能はある。だから、もっと成果を出さなければ周りから認められない」と完璧主義の陥りやすい
  • スポーツや勉強の達成感
    スポーツの試合で優秀な成績を残しても、「これぐらいでは自分は認められない」と感じ、達成感を得られない。

完璧主義についてはこちらの記事で詳しくまとめていますので、参考にしてみてください

両方が低い場合

  • 自分自身の価値を認められず、何かを達成する能力にも自身がない状態。
  • ネガティブな思考に陥りやすく、行動すること自体に消極的。
具体例
  • 新しい挑戦を避ける
    「どうせ自分なんてダメな人間だし、何をやっても失敗するだけだから挑戦する意味がない。」と行動する前に諦めてしまう。
  • 人間関係への不安
    「私は魅力がないし、会話も下手だから、友達を作ろうとしてもきっと失敗する。」→孤独感を抱え、周囲との交流を避ける。

両方が高い場合

  • 自分の存在価値を認めつつ、自分の能力にも自身がある状態。
  • 前向きな行動をとり、失敗してもそれを成長に糧にできる。
具体例
  • 仕事での挑戦
    「私はこのプロジェクトを達成できる能力があるし、失敗してもそれが自分自身の価値を否定するものではない。」と自信を持って新しい仕事に取組み、達成感を得ることができる。
  • 人間関係の構築
    「私は自分自身に価値があるし、自分のコミュニケーション能力を信じているから、初対面の人とも安心して話せる。」→人間関係をスムーズに築ける。
状態自己肯定感自己効力感特徴行動例
自己肯定感高×自己効力感低高い低い自分の存在価値を認めるが、行動や挑戦に消極的新しい挑戦を避ける。仲間と話すのは得意だが、リーダー役を引き受けるのは苦手。
自己肯定感低×自己効力感高低い高い自分の価値を認められないが、特定のスキルや能力に自信がある達成感を感じにくく、結果を出しても自己否定的。他人の評価を過剰に求める。
両方低低い低い自分の価値も能力も信じられず、行動に消極的挑戦を避ける。失敗を恐れて行動しない。孤立する傾向あり。
両方高高い高い自分の存在価値を認めつつ、自分の能力にも自身があり、前向きに行動できる新しい挑戦を楽しむ。失敗しても学びと捉え、次に活かせる。人間関係や仕事の場で積極的な姿勢を見せる。

自己肯定感・自己効力感を高めるには?

自己肯定感を高める方法

  • ポジティブな自己対話(ほめトーク):「自分は価値がある」「失敗しても大丈夫」と言い聞かせる。ほめトークについて詳しくはこちら
  • 長所や感謝リストを作る:自分の強みや日常で感謝できることを紙に書きだして認識する。自分の長所を見つけることができる、おすすめの自己分析サイトはこちら
  • 他人と比較しない:他人ではなく、自分のペースでの成長を実感する。

自己肯定感の高め方についてはこちらの記事でもっと詳しくまとめていますので、参考にしてみてください!

自己効力感の高める方法

  • 小さな成功体験を積む:達成可能な目標を設定して、成功を実感する。
  • 具体的なプランを立てる:目標達成までのプロセスを明確化し、自信を持てる準備を整える。
  • 周囲のサポートを受ける:他者からの励ましや協力を受けて成功体験を増やす。

まとめ

「自己肯定感」は自分を根本的に支える土台であり、自分の存在価値そのものを肯定する感覚です。一方、「自己効力感は」具体的な行動や挑戦における自信を支える力です。両者をバランスよく育むことで、心の安定と行動力が向上し、より前向きで充実した人生を送ることが可能になります。

miho

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